表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/258

226話 一騎討ち 信じる心

「――マナヤさんっ! くっ」


 その様子を『千里眼』で見守っていたシャラ。

 耐えかねたように声を上げ、鞄から一つの錬金装飾(れんきんそうしょく)を取り出した。『吸毒の宝珠』だ。


 それを『キャスティング』でマナヤへと投げようとして……


「シャラ、待ちなさい!」


 その手を、アシュリーに掴み止められた。

 焦って振りほどこうとするシャラだが、腕を掴むアシュリーの手はビクともしない。


「は、離してくださいアシュリーさん! このままじゃマナヤさんが、テオが!」

「大丈夫!」


 泣き叫ぶように訴えるシャラだが、アシュリーは力強く言い切った。


「見て。あいつの目はまだ全然諦めてない。まだいけるわ」


 そう強い確信を持って虚空を見上げるアシュリー。なぜか説得力に満ち溢れているその言い方に、シャラの手から力が抜ける。

 茫然としている中、アシュリーはようやくシャラの手を解放した。


「信じて、マナヤを。テオのことを守るために生まれた、あいつの強さを」


 自身たっぷりにそう言ってくるアシュリーに、シャラは戸惑いを隠せない。


 どうして、そこまで彼のことを信頼できるのか。

 どうして、彼が死んでしまうかもしれない恐怖を振り払えるのか。

 これが、『共鳴』に目覚めた者の差なのか。


 不安と恐怖、そして劣等感。

 それらに苛まれる中、シャラは再び目を閉じて戦いを見守った。



 ***



 ――ドシュッ


 スポーン・スコルピオの棘、三発目が命中。

 しかしそれが突き刺さったのは、マナヤにではない。


(狙い通りだ!)


 無敵化の効果が切れた、ストラングラーヴァインだ。

 マナヤは、そろそろ次元固化(ディメンションバリア)の持続時間が終わると踏んでいたのだ。この位置関係なら、無敵化さえ切れれば大サソリはそちらを狙うと確信していた。


 さらに続けさまに棘を放つスポーン・スコルピオ。

 反撃の術がないストラングラーヴァインは、一方的に攻撃を受け続ける。

 しかしその頃には、マナヤは準備を終えていた。


(よし!)


 両肩に刺さった棘を引き抜き、立ち上がる。

 スポーン・スコルピオの攻撃を受け続けたのは、諦めたからではない。『ドMP』を狙うためだ。


「【ワイアーム】召喚ッ!」


 全身を襲う激痛に耐えつつ、手を上にかざす。


 召喚紋から現れたのは、巨大な空飛ぶヘビ。

 全身を深緑の鱗に覆われ、コウモリのような翼を胴体の中央から生やしている。その顎は巨大な毒牙が二本生えており、ヌラヌラと紫色の毒液で覆われていた。


 精霊系の最上級モンスター『ワイアーム』。


(飛行モンスターは、召喚直後に前方に敵がいる時、そっちへ高速突撃する!)


 召喚されたワイアームは、即座に頭上のスポーン・スコルピオへ突撃していた。

 次撃を放つ前に、大サソリはワイアームの巨大な顎にかみ砕かれる。

 毒牙から毒を注ぐまでもなく、スポーン・スコルピオは魔紋へと還った。


「【行け】! 【魔獣治癒(ビーストヒール)】!」


 そこで改めて全体に攻撃命令を下した。

 さらに傷ついた氷竜を魔獣治癒(ビーストヒール)で治癒する。


 フロストドラゴンが氷ブレスを放った。

 同時にスター・ヴァンパイアも鉤爪を振り下ろす。

 どちらも全身を切り刻まれ、ボロボロの状態だ。


 そこへ、空中から旋回してきたワイアームが迫る。


「【秩序獣与(ブレスド・ブースト)】!」


 マナヤは、そのワイアームに魔法をかけた。

 全身を襲う毒の痛みで『ドMP』が発動している。今のマナヤは、どんどんマナが溢れてきている状態になっていた。

 スポーン・スコルピオの毒は、二発くらいまでなら受けても死ぬことはない。マナヤはゲームでそれを熟知している。


 空飛ぶヘビの毒牙が、神聖な光を纏う。『聖痕』効果をともなうそれは、スター・ヴァンパイアの弱点だ。


 ――バシュウ


 傷ついていたスター・ヴァンパイアが、たまらず消滅する。


 ヴァスケスのモンスターが全滅。

 マナヤ側にはフロストドラゴンとワイアーム、二体もの最上級モンスターが。


「そうくるだろうと思っていたぞ! 【ダーク・ヤング】召喚」


 しかしヴァスケスは、すぐに巨大な召喚紋を展開していた。

 中から現れたのは、巨大な禍々しい樹木のごとき異形。高さは十メートルほどはあるだろうか、深緑と紫が入り混じったようなそれは、極太の触手を頭頂部からいくつも生やし、根に当たる部分には足が生えている。


 冒涜系の最上級モンスター『黒い仔山羊(ダーク・ヤング)』だ。


「【行け】」


 ヴァスケスがそれに攻撃命令を下す。

 ダーク・ヤングは巨体に見合わぬ速度で、突っ込んでいった。


 最初の狙いはフロストドラゴンだ。

 あっという間に隣接したダーク・ヤングは、頭部をもたげる。

 極太の触手を鞭のように振るい、氷竜へと叩きつけられ――


「――【電撃獣与(ブリッツ・ブースト)】」


 その寸前、ヴァスケスが呪文を唱えた。

 直後、膨大な電撃を帯びた触手が氷竜を打ち据える。


 ――バシュウ


 既に弱っていたフロストドラゴンは、ひとたまりもなかった。

 一撃で倒され、魔紋に還ってしまう氷竜。


「【封印(コンファインメント)】ッ!」


 フロストドラゴンを失うわけにはいかない。

 マナヤは慌てて飛び出し、魔紋を回収した。


「来たな! 【バフォメット・モス】召喚!」


 それを待ち構えていたかのように、ヴァスケスが新たに召喚。

 比較的小さ目な召喚紋から、人の頭ほどの蝶が姿を現した。

 紫と緑という異様な色彩で、複雑な紋様の翅を持つ蝶。


 毒の鱗粉をばらまく中級モンスター『バフォメット・モス』だ。


(この野郎……!)


 マナヤは既に、スポーン・スコルピオの毒で満身創痍だ。

 この上バフォメット・モスの毒鱗粉まで食らえばひとたまりもない。

 慌てて前方に手をかざす。


「【ストラングラーヴァイン】召喚! ……【跳躍爆風(バーストホッパー)】ッ!」


 再びツタのようなモンスターを召喚し、それに掴まる。

 そのまま跳躍爆風(バーストホッパー)で上空まで跳ばした。

 マナヤは毒の激痛に耐えつつ、空を舞うツタに必死にしがみつく。


「ぐ……【次元固化(ディメンションバリア)】ッ!」


 そして空高くで、無敵化の魔法をかけた。

 三角錐の光をストラングラーヴァインが包み込み、その場で急停止。


 何の支えもない中空に、ストラングラーヴァインが浮かんでいた。

 それにしがみついている形のマナヤが、首を傾けて下を見る。


「――ちっ、『浮島(うきじま)』戦法とやらか」


 ヴァスケスは地上で舌打ちしていた。

 マナヤが書いた教本に載っている戦術、それをヴァスケスも確認していたようだ。


「も、【戻れ】」


 少しだけマシになってきた全身の激痛に耐え、ワイアームを引き戻す。

 なんとかストラングラーヴァインの上に這い上がった。

 一息ついたところで、改めて地上を見下ろす。


 上空から睨み上げるヴァスケスと、目が合った。



 ***



(あぶなかった……)


 ほおっと、安堵の息をついてしまうシャラ。

 けれど、まだ戦いは終わっていない。とりあえず仕切り直しになっただけだ。むしろ毒で重症な分、マナヤの方がやや不利。


「……」


 目を開き、横を見る。

 アシュリーが目を閉じた状態で、落ち着いた様子で二人の戦いを見ているようだ。ほんのり、口元に笑みすら浮かべている。


「……アシュリーさんは」

「ん?」


 思わず声をかけると、アシュリーは目を閉じたまま応じた。


「どうしてアシュリーさんは、そこまでマナヤさんのことを信じられるんですか」


 彼女は、心配じゃないのだろうか。

 マナヤが死んでしまうかもしれないことが。

 彼本人には負けない自信があるかもしれないが、アシュリーはどうしてそれを信じ切れるのだろうか。


「シャラ」


 アシュリーが目を開き、顔だけこちらへ振り向く。

 その瞬間、心臓が大きく跳ねるのがわかった。



「あたしはね。マナヤが勝つことを、本当に心の底から信じ切ってるわけじゃないの」



 岩肌が日の光に照らされ、この場一帯が赤みがかっている。

 そんな赤く切ない空間の中、彼女は微笑んでいた。

 ……とても、不安そうな微笑み。


「今にも、不安ではちきれそう。もしマナヤが死んじゃったらどうしよう、ってね」


 きゅ、と胸の前でそっと拳を握っているアシュリー。


「じゃあ……どうして」

「〝勝って()()()〟から信じてるのよ」


 思わず訊ねると、今度はアシュリーは体ごとこちらを向いた。


「世の中にはね。周りから過剰な期待をされることが、重石になっちゃう人がいる。期待に応えられないかもしれない、っていう重圧に押し潰されちゃう人がね」

「……」


 ズキリと心が痛んだ。

 まさしく自分のことだ。テオとの『共鳴』という村からの重圧で、心がくじけそうになっていた。


 けれどアシュリーは、そこで声のトーンを明るめに変えた。


「でもね。逆に、期待されなくなったら寂しがる人もいるの」

「え?」

「自分に期待をしてほしい。自分の存在を認めてほしい。そう考える人もね」


 そこまで言うと、アシュリーは再び空を見上げた。ずっと遠くだが、マナヤが戦っている方向を。


「マナヤも、そういうタイプの人種なのよ。テオの副人格として生まれて、異世界に適応するように生まれて。それでこっちの世界に戻ってきちゃったもんだから、存在意義を見失っちゃったんでしょうね。だから、誰か自分に期待してくれって願ってる」

「……」


 言われてシャラは、思い返していた。


 最初にマナヤがいなくなってしまった時。自分がフェニックスにやられてしまいそうになって、テオがマナヤの存在を求めた。

 スレシス村では、そこの召喚師達に指導など必要ないと言われ。けれど、テオが捕まった時にはマナヤが戻ってきたらしい。

 海辺の開拓村では、人を殺めてしまって引っ込んで。それでも、テオや皆の『流血の純潔』を守るべき時に、マナヤは帰ってきた。

 そしてブライアーウッド王国では……アシュリーに期待されて、彼は奮起した。


 人の期待を受けた時、彼はいつも立ち上がってきた。


「あいつはね。『あんたならできる』って誰かから期待されればされただけ、どこまでも応えられるやつなの」

「期待されれば、されただけ……」

「ええ」


 再びこちらへ振り向いたアシュリーの顔に、先ほどまでの不安は見えなかった。


「だからあたしは、マナヤを信じるの。あいつを信じる心こそが、あいつにとっては力になる」

「……」


 不安そうに、再び目を閉じるシャラ。

 瞼の裏に、荒く息を吐いているマナヤが見えた。



 ***



「【強制誘引(コンペルド・ベイト)】、【精神防御(グルーミング・ガード)】」


 マナヤは、自分から一定の距離を空けて周囲を飛び回るワイアームに魔法をかける。

 敵に狙われやすくなる魔法をかけたことにより、ヴァスケスのバフォメット・モスが上空のワイアームめがけて鱗粉を放った。


 しかし鱗粉は、紫色の防御膜に防がれる。

 バフォメット・モスの毒鱗粉は、精神攻撃扱いである。そのため、精神防御(グルーミング・ガード)で防ぐことができた。


「ち、相変わらずしぶとい男だ」


 地上では、ヴァスケスが舌打ちしながら忌々しげにこちらを見上げてくる。

 この状況では、下手に手出ししない方が良いと踏んだのだろう。マナの回復に努めているのだ。


(こいつ、以前戦った時とは比べ物にならねえくらい強くなってやがる)


 いや、強いというより『巧い』のだ。

 召喚師同士の対人戦を、ゲーム中とはいえ知り尽くしているマナヤ。そんな彼の動き一つ一つに、初見のはずのヴァスケスが最適解で対応し続けている。


(……だが)


 どこか、自分の精神が高揚しているのも感じていた。

 この世界に来てから、これほど自分に近いレベルの召喚戦はいつぶりだったろうか。本当に熟練のゲーマー同士で戦っている時のようなスリルを覚えている。


「――何を笑っている、マナヤ!」


 が、いつの間にかこちらの唇が弧を描いていることに気づいたか、ヴァスケスが吐き捨てるように叫んでいた。


「神に選ばれ異世界の知識を持ち帰ったことで、我々を見下しているのか」

「……そんなつもりはねえよ」


 すこしバツが悪くなって、答えが遅れてしまった。

 この世界に来たばかりの時は、確かにそうだった。だが今のマナヤは、この世界の人間を見下すつもりはない。この世界の人間は、限定された環境下で必死に生きてきたのだから。


「ならば、なぜ我々のやることに口出しをする。結局力で他人を圧倒することを楽しんでいる貴様が」

「ハッ、開き直ったお前らに言われちゃおしまいだな。召喚獣で人を襲って、まさに他クラスが恐れてた〝人を襲うバケモン〟になって何が嬉しいってんだよ」


 自己嫌悪も多大に含めつつ、マナヤはそう切り返す。

 ゲーム時代を思い起こしてワクワクしはじめていた気分が吹き飛んだ。ヴァスケスやトルーマンらと同じような人間になってしまってはいけない。


「……ずっと、気に入らなかったのだ。なぜ貴様ごときに綺麗ごとを吐かれねばならん」


 だがヴァスケスは、その表情により深く憎悪を刻んだ。


「貴様はただの偶然で、召喚師の救世主などと祭り上げられている。我々の世界をろくに知らぬ、余所者ごときが」

「よそもの、だと?」

「違うか? 確かに貴様はテオの副人格であるようだが、異世界で生まれた人格なのだ。その精神性は異世界人と変わらん」

「てめえ……」


 ギリ、とマナヤは今度は歯ぎしりをしていた。

 余所者、と呼ばれたことが、思った以上に堪えていた。


「その余所者である貴様が、我々の世界に口出しをするのか。なにも苦労することなく、ぬくぬくと平和な異世界で暮らしてきた貴様が!」


 が、ヴァスケスの声はより強い感情を帯びていった。瞳も激情に染まり、より強い殺気を放ちながら怒号を発する。



「この世界を生き抜いてきたのは我々だ! この世界の歴史を紡ぎ、この狂った召喚師像の中でも声を上げ続けてきたのは我々だッ! にもかかわらず、なぜ余所者の若造に大きな顔をされねばならん! 我々の歴史を何も知らぬ部外者ごときに、なぜ綺麗ごとを並べ立てられねばならんのだッ!!」



 彼の叫びには、積年の恨みが篭っていた。

 この世界で召喚師の扱いに苦しみ続け、それをなんとか打開しようと奮闘してきた男の苦悩が詰まっていた。だからこそ復讐に燃え、周囲へ強い憎悪を抱いている。


 彼は『共鳴』によってマナヤの境遇を知ったのだろう。

 だから召喚師らの歴史を知りもせずに、正論のみを振りかざしているマナヤに怒りを燃やしている。自分達の復讐を綺麗ごとで否定し、憎しみを抱く召喚師達を代表してきた自分達を邪魔し続けてきたマナヤに。その上で、自分達と違い救世主などと祭り上げられているマナヤに、心底怒っている。


「……ッああそうさ! 俺は余所者だよ!!」


 気づけばマナヤも、歯ぎしりしながらまくしたてていた。


「自分自身の魂を持たねえ、ただのテオの副人格として生まれたのに! それでも異世界人としての自分を捨てきれていねえ、ぽっと出の余所者だ!」


 この世界での召喚師の歴史を知らない。それは事実だ。

 何の争いもなく何も生活に不自由しない、ぬるま湯に浸かったような日本での生活に慣れ親しんでいた。だから余所者と言われても、何も言い返せない。


 ……それでも。


「――だがなッ! それでも俺は、()()()()()()()()()()テオの中から生まれたんだ!」


 ピクリとヴァスケスの表情が動いたのが、遠目でもわかった。なおもマナヤは喚きたてる。


「召喚師になっちまったことに苦しんで! それでも村のみんなに迷惑はかけたくないと苦しんで! 目の前で故郷が滅ぼされちまったことに苦しんで! なんにもわかんねえ異世界に突然放り込まれちまったことに苦しんで! それでも――」


 心の中で、テオが震えているのを感じた。



「――それでもなお『みんなを助けたい』っていうテオの強い願いの中から、俺は生まれたんだッ!!」



 忌まわしい存在になってしまい、故郷を滅ぼされ、そして異世界の文化の違いに苦しみ続けたテオ。

 それでもテオは、助けたかった。両親を。シャラを。故郷の皆を。同じ事情に苦しむ召喚師達を。

 ――皆が一緒に、仲良く暮らせる未来のために。


 だからこそあの時、テオは望んだ。

 異世界の生活にもなじむことができる心を。滅びた故郷を救い出せる強さを。村のみんなの力になれるカリスマを。

 ……召喚師であることを()()()、まっすぐな意思を。


『俺は河間真也(こうままなや)……いや、召喚師マナヤ! 勝負開始(コンバット・コメンス)!!』


 その願いは、叶えられた。


「恨みをぶつけることばっかりで、許すことをハナから諦めちまったお前らなんかに! この俺が負けるかよ!!」


 こちらを見上げてくるヴァスケスを、正面から睨み据えた。


 ――マナヤ。ありがとう――


 テオの震える声が聞こえる。


 ニッと唇だけで笑みを作り、ちらりと遠方を意識した。

 その先に居るであろう、いつも自分を信じてくれていたもう一人の大切な人を。


(信じてくれるなら、応えてやるよ。テオ。シャラ。……アシュリー)



 ***



「テオ……マナヤさん……」


 シャラは堪えきれず、ぼろぼろと涙が零れ落ちるのを止められなかった。

 ディロンも悔しそうに顔を伏せ、テナイアは悲痛な表情で顔を背けている。


(ぜんぜん、わかってなかった)


 テオがどれだけ苦しんでいたのか。

 マナヤが、どんな思いを背負っていたのか。


 どれだけ強い思いのもと、二人は戦い続けてきていたのか。


「……マナヤ。負けないで」


 アシュリーはなおもマナヤの位置を見上げていた。彼女の目元は、シャラの位置からは見えない。

 しかし彼女の頬には、一筋の雫が流れていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 二人の信念と戦いに何か感想を、賞賛を、と思ったが、余所者にはできなかったよ…書き直した文が薄くなった [一言] こういうガチで信念まっすぐなテロリストって憎めないよなぁ 負けるとわかって…
2023/07/23 20:32 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ