おやすみのちゅー
電気を消す。今日の寝室は月の光が窓から差し込んでいて、けっこう明るい。
みこはベッドの端にちょこんと座って私が戻るのを待っていた。
「おねーちゃん、今日はしないの?」
「なにを?」
「ほら、お休みのキス」
「えっ」みこの方からその話をしてくるとは思わず、固まってしまう。
「ちゅーしようよ」私の手を握り、ちょっと上目遣いをしてくる。昨日と違って明るいから表情もよく見える。うう、これをされると………。
……露骨に断るのも変だ。昔みたいなキスなら、いいか。
「いいわよ」私はみこの横に座り、顔を近づける。
「ん」とみこは目をつむり、私のキスを待つ。心なしか、口を突き出してるようにみえる。
……くちびるにキス……いや、だめだ。そんなことしたらまた堕ちてしまう。それがきっかけでみこを押し倒して、めちゃくちゃに汚してしまうかもしれない。
ちゅ。私はほっぺにキスをする。みこのほっぺはとっても柔らかく、もう一度キスしたくなってしまう。
「はい。じゃあ寝ましょう」
「あれ? お口にちゅーじゃないの?」
「……昨日は間違えたのよ」そう答える。
「そっかぁ……お口のほうがよかったなぁ」そのみこの台詞に少しどきりとする。
「わたしもするー」みこは顔を近づけ、私の頬にちゅ、とキスをした。ぴょん、と心が少し跳ねる。
「もっかい」ちゅー、と今度は長めにキスしてくる。
ああ、幸せだ。心が溶けていく。