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きんだんの、あい

 すぅ、すぅ。寝息を立ててるみこを眺めながら少し物思いにふける。私はまだ眠くなかった。


 でも、どうしてだめなんだろう。血が繋がっているもの同士、いわゆる近親で恋愛をするのは現代では禁忌……タブーとよく言われている。


 私も深く考えず、駄目な事なんだなと思いこんでいた。みこに聞かれても、周りに怒られたり、後ろ指を刺されるからという理由ぐらいしか思いつかなかった。

 

 タブーの理由を考えてみる。確か、近親同士で子供を作ると遺伝子に異常が出て、病気になりやすくなるとか聞いたことがある。


 でも、それは異性同士での話だ。姉妹とか兄弟だったら、簡単に子供ができるはずもないから……だめな理由にはならない。


 みこの髪をそっと、なでてみる。サラサラでとても肌触りがいい。ずっと触っていたくなってしまう。


 ふわり。かすかにみこの香りが漂ってくる。欲望が身を起こしかけた。慌てて手を戻す。あぶない、あぶない、また火がつくところだった。


 ああ、そうか。これが一方的な恋だったら駄目なのか。私がみこに片想いして、でもみこは私のことを全く好きじゃなかったとしたら。


 もし片想いの相手が友達や同級生だったら、相手は逃げられる。逆ならまだしも、兄や姉、もしくは親だったら、逃げられない。


 同じ屋根の下にいるのだ。片想いした方もされた方も辛い。想いが抑えられなければ大変なことになってしまうだろう。心にも身体にも深い傷が刻まれてしまうかもしれない……。


 みこのほっぺに手をくっつける。むに、とつまんで見る。全く動じず、寝息をたてている。たぶんつねったって起きない。


 「お互いに好きなら、いいのかなぁ」ぼそり、とつぶやく。


(いいんだよ〜ほら、パジャマ脱がしちゃいなよ)また欲望が囁いてくる。脱がしはしないけれど。


 ……どうしよう。考えれば考えるほど、みこを愛せない理由が無くなる。


 禁断の愛。実はそこまで禁断ではないのかもしれないなぁ。みこのほっぺをふにふにと、堪能しながら思う。


 視界と頭がぼやけてきた。睡魔が私を誘ってきている。


 まぁいいか。姉妹でも恋人でも、みこのことを愛してることには変わりはない。


「みこ、だいしゅきだよ……」眠気のせいで声がふにゃふにゃになってしまった。どうせ寝ている彼女には聞こえてないだろうし。


 そうして、私は夢の世界に旅立つ。


 

 


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