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昼の夜空

作者: すいみんぶそく

 ある日、昼が消えた。太陽の前にカーテンがおろされたかのように消えた。

 不思議なことに、昼が消えても気温の変化はあったし、月は昇沈していた。なぜか植物も育った。

 誰もそんな世界に疑問を持ってはいなかった。みんな、みんな、僕自身ですらもそうなりそうだった。

 誰もが元々昼なんてなかったかのように振る舞う。携帯のアラームで眠りから覚め、朝食をとり、歯を磨き、顔を洗う。働き、遊び、話し、今日という日を謳歌して、眠りにつく。それの繰り返しだった。

 僕はなぜだか考えた。彼らのようなただの葦にはなりたくなかった。

 答え合わせはは唐突に訪れた。なんの変哲もない散歩の中で、それに出会った。

 僕は轢かれた。何も予兆がなく、車のライトすら見えなかった。そこでようやく思い出した。僕の目にはとっくに光なんて映っていなかったことを、僕の頭がそれの理解を拒否したことを。

 僕は薄れゆく意識の中で、全部思い出していた。失明した目に慣れるため病院にいたことも、そこから体を壁にぶつけながら、病院を抜け出して日課の散歩に出ていたことも、全部。

 思い出すのが少し遅かったと思いながら、僕の意識は落ちていった…。


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