私の弟子が優秀すぎる
m(_ _)m
バタン。
扉を閉じて食事へと向かった弟子を横目に、支度を始める。
…と、いっても指を鳴らせばそれで終わるのだが。
一応ぐしゃぐしゃになったシーツぐらいは畳んでおくか。まぁ一瞬で終わるが。すっと指をシーツに向けてくるくる回す。それだけでシーツは新品のように綺麗に整った。
これで準備は完了。
「よし、飯を食いに行くかっ!」
急がねば。せっかくのご飯が冷めてしまう。
そのまま部屋を出てリビングへ向かう。自然と早足になっていく。
ヤツの作る飯は大層うまい。私は長いこと生きているが、あれ以上の食いもんを食ったことがない。
それだけで、ヤツを弟子にして良かったと思う。
飯がうまい。それだけでいい。それ以上は何も望まん。
だが我が弟子はそれだけでは収まらない。魔法の才はあるし、大量の魔力、よく回る頭、さらに極上の美貌を持っているときた。
なんだアイツ完璧か。師匠は誇らしいぞ弟子よ。
そんなこんなを考えていたらリビングへとついた。全く、腹を空かせるような匂いを漂わせおって。安心しろ、いますぐ私が食ってやるぞ。
「待たせたな。今日の飯はなんだ?」
なんだろうな。なんでもうまいだろうな。
すると我が優秀なる弟子がこちらを向いた。
「あぁ、師匠。おはようございます。あんまり待ってないんでご安心を。今日はログ鳥の卵をふんだんに使った昼食ですよ。」
「ほ〜う…ログ鳥ときたか。こりゃまた珍しい。もう産卵の時期か?」
「いえ、違いますよ。今朝コルトさんがきて売っていってくださったんですよ。南の方の商品を今日は取り扱ってたらしく。」
「なるほど、コルトか。全く奴はなんでも売ってくれるなぁ。ログ鳥の卵を手に入れるなんて簡単ではなかったろうに。」
ログ鳥とは、成人男性の三倍ほどある大きな体躯を持つ魔鳥である。年に一度、暖かい季節になると卵を産む。その数は少なく、非常に貴重な鳥で、また魔力を持つ魔鳥であるゆえかなり強い。
まぁ私は寝ながらでも倒せるが。
「あの方はかなりの実力者ですし、ログ鳥なんて余裕で倒せるのかもしれませんね。」
「見つけるのも簡単ではないんだがなぁ。」
「まぁあの方はなりの見つけ方があるんでしょう。…さぁ、ご飯が冷めてしまいます。はやく席についてください。」
あぁそうだった。コルトのせいで本来の目的を忘れていた。
大人しく席に着く。
「しかし、ログ鳥のオムライスとは…実に贅沢だなぁ。」
「一つの卵が大きいので、おかわりもありますよ。」
「それは嬉しいな。ではいただくとしよう。」
スプーンを手に取りオムライスを口に運ぶ。多少半熟なとろとろの卵が口の上で瞬時に溶ける。
うまい。ケチャップライスとの相性も抜群だ。ご飯に使われている肉もログ鳥のものか。あっさりしていて実に食べやすい。一口目を食べたら最後、そのまま手を休めずに食べる。あっという間に完食してしまった。
「いやぁ相変わらずうまいうまい。ケチャップライスに使われていた肉もログ鳥のものだな?」
「えぇ、よく分かりましたね。コルトさんがログ鳥も売ってくださったので使ってみました。口にあったようでなによりです。」
「お前の作る料理がはなんだってうまいさ。さて、おかわりをもらおうか。」
すっと皿を差し出す。これだけでは私は満足できんぞ。ありったけ持ってくるんだ。
「はいはい、すぐにお持ちしますよ。」
「あぁ、なるべくはやくな。」
一回のおかわりでは飽き足らず、その後も何回かおかわりをした。非常に満足だ。
まったく、私の弟子は優秀すぎて困る。
自分で書いててオムライスが食べたくなりました。




