昨日の俺
ナンパ二人組の話です
「なんだこいつ…気絶したのか?本当にカッコ悪いな」
「ほっとけ、くたばってないなら問題ないだろ」
一姫は男の手を払い木林を庇うように二人の前に立ちはだかる。
「おいおい、そんの情けないやつの方が好みってか?」
「物好きだねぇお姉さん」
「違うの早く逃げてあなた達、でないと怪我をしてしまう…」
「は?なにいっ……」
木林を気絶させた男が力なく倒れる。
「え……なんだお前……」
「…ねぇ、あんた達何してるの…お姉ちゃんに何してたの?」
「おいおいおいおい!何したんだお前」
「こっちが聞いてるんだけどなぁ…まぁいっか、悪いんだけどこのまま帰ってくれるとあたし的には助かるんどけどなぁ」
「……わかったよ、女相手に手をあげたく無いしな」
「なにそれ負けるのが怖いならそう言えば?」
「ちっ…おい時則…ダメだこりゃ、じゃぁな二度と会わないことを祈るよ」
男は気絶したもう一人の男を背負ってその場を立ち去った。
「ありがとう、怪我は…あるわけないわよね?」
「当然だし、て言うかそのおっさん誰?」
「私を助けようとしてくれた良い人よ」
「助けた訳じゃないんだ、弱いのにカッコつけようとしたんでしょ」
「強いだけがカッコいいというわけじゃないでしょ?」
「その後でお姉ちゃんに言い寄ろうとしてたんだよ、男なんてみんないやらしい奴ばっかりなんだから」
「それでもお礼はちゃんとしないとね」
「ハイハイ、とりあえず救急車呼ぶよ」
「ありがとう、そう言う優しいとこ好きよ」
「あたしも好きだもーん」
天井に見られる僕
に続きます