天井に見られる僕
タイトルと違うじゃないかと言うとツッコミはなしの方向で…
なんだろうこの匂い月一で嗅いだことのある匂い。
そう言えば昨日…何してたんだったか…。
「あれ…、目覚まし鳴らない。あぁ、やらかしちゃったなぁ。慌てても仕方ないすぐに課長に連絡しないと…痛っ…」
腹部に違和感を覚えて押さえると見慣れない服装になっていることに気づいた。
「ん?これは………そうか天国か」
「なにバカな事言ってんのおっさん。」
「え?…」
そこには肩にかかる位の長さの銀髪サイドテールの女の子が呆れた顔で見ていた。
「天使?てことは俺は異世界転生物に巻き込まれたんだな…と言うか、ここどこ?」
「キモ…、弱いくせにかっこよく飛び出たの覚えてないの?いや、正確にはコケて情けなく警察を呼んだってはったりかましたんだっけ」
そうだ、僕は昨日の夜この子が男二人に絡まれてるのを見て…。
「待って?何で無事なの?」
「は?いや…無事もなにもあたしがあんな奴等に負けるわけないし」
「じゃぁ僕は無駄骨で腹を蹴られて意識を失って入院と……カッコ悪……」
「あんた頭も診てもらったら?それとも精神科?」
「そうだね、ここ精神病棟あるかな」
「ちょっと冗談だって言い過ぎたよ、ごめん」
「まぁ女の子に怪我が無いなら何よりだよ、わざわざ御見舞いに来てくれてすいません」
「あたしは別に来るつもり無かったし」
「え?じゃぁ何でここに…」
言葉を遮るように病室の扉が開いた。
「目が覚めたんですね、心配したんです何日も目が覚めなかったらどうしようかと思いました。」
「天使だ……」
思い出した…僕が助けようとした銀髪の女の子。
「え?天使?」
「はいはいー、その下りはもう聞き飽きたよおっさん。」
「もう、初対面の人におっさんなんて駄目じゃない」
「だってこのおっさんキモいんだもん」
「助けようとしてくれた人に向かってそんなこと言う唯なんて嫌いよ」
「ちょ!?ごめんって!言い過ぎたよごめんなさい」
「その下りは聞き飽きたよ」
「ふふっ、本当に元気そうで良かったです、ええっと…」
「木林 一辛、29歳です」
「やっぱりおっさんじゃんか」
「私は天瀬 一姫と言います、助けていただいてありがとうございます。」
「唯だよ、年上なんだし好きに呼べば?」
「一姫さんに唯さんか、いろいろとご迷惑かけたようで申し訳ないです。」
「いえいえ木林さんが謝ることは何も、むしろお礼を言うべきなのは私なんですから」
「いや、あんなチンピラあたしが追い払ったし」
「え?唯さんが……生意気言ってすいませんでした姉御」
「誰が姉御よ!!別に不良やってる訳じゃないし!」
「ちょっと体力があってがさつなだけよね。」
「お姉ちゃんまで!もう知らない!あたし帰る!」
どうやらお姉さんには勝てないようだ、弱味でも握られているのだろうかそれとも…家族か…。
「ごめんなさい、あんなこと言ってるけど根は優しい子なんです」
「そうみたいだね心配してくれてのは伝わったから」
「お腹…もう痛くありませんか?」
「あぁ、大丈夫だよ膵臓の時よりは」
「膵臓?」
「えぇっと初対面の人にこんな話しても仕方ないね」
「膵臓、悪いんですか?」
「ごめんね、今のは忘れてくれていいから」
「木林さん…謝ってばっかりですね」
「え?…あぁごめんなさい…あっ…」
ちょっと寂しそうな顔になった一姫はすぐに笑顔になり、
「木林さん、何回も謝られるより一回感謝された方が人って安心するし嬉しいんですよ?」
「…あぁ、その……あ…あり……ありが…」
「ありがとうございます一姫さん」
「ふふっ、こちら事ありがとうございますね」
(ヤバい…)
「好きです付き合ってください
(好きです付き合ってください)」
「え?」
「え?あれ…」
数秒の沈黙が続き、
「あぁーー!!すいません心の声がただ漏れに!嫌ですよねこんなおっさん、僕が女の子なら絶対嫌ですもんごめんなさい!」
「私で…良ければ喜んで木林さん」
「そうですよね!喜んでですよね!え!?喜んで?!ちょっとまってよーく考えて一姫さんおっさんだよ?!考え直した方が良いって!」
「駄目です、もう受けましたよ?別れたいなら木林さんが私をフッてくれないと、ね?」
「えぇ……」
一姫が携帯を取り出し僕の携帯を操作して連絡先を交換した。
木林は自分が状況を理解しないまま彼女が出来てしまったのだ。
きばやし いっしん
木林 一辛
あまがせ かずき
天瀬 一姫
あまがせ ゆい
天瀬 唯
ルビの振り方よくわからなかったのでこちらに書いておきますね。
いきなりすぎる展開でなんだこれと不快にならなければいいのですが良かったら次も楽しみに待っててください