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スイポテ





「縁さぁん。私も抱き締めてくださいよぉ…」



 すでに出来上がっている(あか)だった。

 面倒だわ。そんな事を思いらなが腹をグーで殴る。するとぐえっ、と声を出しよろめく。

 はっきり言って酒臭い。



「酷くないですかっ....」

「うるさいよ。明日からまた出張でしょ。あんまり飲まないで」

「うぃーす」



 と注意してもビールを片手に敬礼する。後で(りん)に怒られても知らねーよ。


「まぁ、時々仕事手伝ってもらうよ」

「わ、わりました」



 少年にそう声をかける。


 私は仕事の内容を振り返る。今回は何故、怪であるものが入ってこれたのか。本当疑問に思う。

 雛もまだ力は弱い。明日は特訓かな。



「縁さん、今回もあれやるの?」

「もちのろんさんですが?」



 尭から聞かれ素直に答える。

 あれをやらなきゃ少年からあげられない。名前で呼べないんだ。


 大丈夫。私が見込んだんだ。間違うわけがない。今まで失敗したことは....ないとは断言出来ないが。



「縁さん、今日何かありました?」



 芋けんぴをゲジゲジ食べながら内容を考えているとオレンジジュースを飲みながら私の顔を覗いてくる緋色。

 お前が敬語とか、気持ち悪い。そう呟くと頭ににチョップされた。


 解せぬぞ。



「何か...って言うほどじゃないけど」



 違和感が多すぎて吐き気がする。

 一体何なのか。不思議でならず、心にモヤがかかっているような感じだ。


「言った方が楽になるんじゃないですか?」

「緋色にそんな事を言われる日が来るとは」



 てか、私の台詞を奪うなよ。そんな事を思いながら口に一杯けんぴを詰め込む。所々刺さって痛い。


「なんスカそれ」



「なんでもないっス」



 少し大人びた笑顔で言われ間が空いてしまった。

 照れるからやめてほしいです。切実に。私はそんなビッチなんかじゃないぞい。純粋な乙女だぞ。


 言い過ぎか。


「また溜め込んで爆発するようなことは止めてくださいね」

「うん。ムリだわ」

「止めてくださいってば」



 強い口調で言われ負けた。だって、怖いし。コイツ不良じゃん。釣られろ。


「縁さんっ、こっちで食べましょうよ」

「おー。おぉっ!?スイポテ!?!」

「いや、何ですかスイポテって」



 




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