パーリラ
「しょーねーん!!起きろ少年っ!!」
私は少年が眠っている部屋のドアを叩く。これを十分前から行っているのだ。
一向に開かないドア。私は合鍵を使いドアを開け中に入る。
合鍵の存在を忘れてたんだよ。バカとかいうなっ!!
「おはよう少年。ご飯の用意が出来たぞ」
「んっ....。っ!?誰ですか!?」
開口一番そう言われ私は酷く傷付いた。まぁ、無理もないか。そう思いながら口を開く。
「縁だよ。さっきは仕事用の格好」
「縁さん、ですか....?」
「そうだ。ほら、早く行くぞ」
仕事用の格好は旗から見れば男だし。OFFの時は丸々女の格好してるんだよ。
口調は男だって言われるがな。
「あの、何処に行くんですか?」
「ないしょー」
私がさっき落ちた階段を下りながら少年が問う。
にしても少年は良く寝ていたな。
「あ、あの紙は?」
「あ、これです」
必要な物を書いてもらった紙を見る。どれも必要最低限のものばかり。
お利口だよね。前に来た奴なんかゲームとか二段ベッドとかマンガとか変なやつばっかり書いてたぞ。
「おー、連れてきたぞー」
ドンっと少年の背中を押した時、クラッカーがなる。
目の前には豪華なご馳走と少年がまだ会ったことのない二人が立っている。
その内の一人が大量に変なものを要求してきたんだよ。へっ。
「やっほー。私は赤。気軽に赤ネェって呼んでね」
「誰が呼ばせるか」
腰より上の髪をツインテールにして、気さくに喋る変態。こいつは危ないぞ。
「私は琳です。赤の事で何か合ったら教えてください。成敗します」
「酷いよ!」
ミディアムの髪を二つに分けて緩い服を着た琳。似合ってる。というか珍しいと思う。琳がそんな格好をしているのは。
「きゅ、糾です。よろしくお願いします」
緊張気味に言う糾。それに比べてのほほーんとしてアホみたいな顔をしている赤。
「あ、あの。男性の方って....」
「あ、あぁ。 後二人いるんだけど出張中。てか帰ってくるの今日だよね?」
「......ですね」
ペラペラと紙を捲りながら心配そうに言う垓。私だってメチャクチャ心配だよ。正反対の二人を行かせてんだから。
「っあ~肩凝ったああぁ」
「ただいま帰ってきました」
「ナイスタイミング!!」
そんなとき、ドアが開き二人が帰ってきた。私の言葉にビクッとしながら入ってくる。
「てか、なんスカこのパーティー」
「新しい子の歓迎会だよ~」
「取り合えず自己紹介して」
このまま行くと赤のペースに巻き込まれてしまう。
前にそれで大変な事になってしまったから。本当気を付けなければ。
「俺は緋色。ここで色々コキ使われてる」
「ねぇ、なんで皆して私をディするような言い方するの!?」
流石にメンタルの弱い私は泣きそうだよ?ねぇ、なんで無視するの!?
そんな事を思っていると救世主が現れた。
「僕は炉依です。縁さんはとても頼りになって尊敬してますよ」
「炉依、マジで好き」
真顔で炉依に抱き付く。嬉しいよ。このご時世そんな事を言ってくれる子なんてそうそういないから。
私より少し背の高い炉依に頭を撫でられいい気になっていると誰かに引っ張られた。




