学習
前の話しに出てきた春隆はオリジナルの妖怪です。幻術を見せ相手を惑わすあやかしです。もし、そんな妖怪や名前がいたら教えてください。
「んふ。討伐完了だね」
「性格悪いですね」
私たちは封印の壺を埋めて相談屋に帰ってきた。依頼の内容を破り捨てゴミ箱に投げ入れる縁さん。
本当意地が悪い。
「そうだ、少年。歓迎会をしようか」
「歓迎会...ですか?」
縁さんはお面を外しニコリと笑い言う。それに糾がキョトンとする。
「うん。まだ、会ってない人がいると思うし。取り合えず部屋案内するね~」
あっち。と笑いながら部屋に案内する縁さん。
前に調子に乗った縁さんは今上っている階段から落ちた。だから今は手すりをぎゅっと握りながら上っている。
てか、上っていて落ちるっておかしいでしょ。
それを尭さんに言うと真顔で気にしたら負けだ。と言われ負けた気になった。
「あっちが、トイレで私の部屋がそこ。雛がその隣で尭があっち。垓はそこ。二階は大体寝室とかかな?三階はトレーニング部屋。一階はお風呂とかキッチンとか...」
まぁ、詳しいことはまた今度にしようか。
そう言って糾の部屋を部屋を開ける。中は白い壁に被われていて何もない。
「はい、欲しいものを書いて私に渡してね。一応時計は渡しとく。一時間後また来るね~」
軽快な声で言い、その場を去る。まったく、ちゃんと説明をしていてほしい。
スキップをしながら階段の方へ行った縁さんを横目で見ながら私は糾に言う。
「先程は助かりました」
「あっ、あれは...縁さんが」
分かってる。全て縁さんの狙いだってことは。けど、助けてもらったのは本当のことだ。
頭を下げてありがとうございました。と言おうとしたとき、階段下から鈍い音が聞こえた。
まさか、と思い下を見ていると縁さんが地を這いつくばっていた。
「何してるんですか」
それを呆れた顔で垓さんが縁さんの腕を引きあげる。
私と糾は急いで縁さんに駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
「バカですか。学習しないんですか」
「酷くね!?」
何時になったら学習するのかと思いながら自分の部屋に戻る。縁さんの手当ては垓さんがしてくれるだろう。
「ほっといて良いんですか?」
「良いんですよ。あの人甘やかすと拗ねますから」
「え、拗ね...?」




