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「は...?」



少年が言った言葉に覚(仮)がキョトンとする。その顔は傑作だ。私は覚(仮)の不意を付き、後ろ手に回り術をかけ縛り上げる。


「くっ....何すんだ...」

「ちょっーと事情聴取するだーけ」



語尾にハートが付き添うな勢いで言い、覚(仮)を怯えさせる。てか、勝手に怯えた。



「お、おい!ソイツから何か出てるぞ!!」



私が術を強めた時、男性が覚(仮)を指しながら声をあらげた。私は覚(仮)って、もう面倒だから覚紛いを雛に渡し男性に向かって私の血をかける。



「っ!?あっ、あちっぃ!!」



するとたちまち男性は正体を顕す。全身は毛で被われている。爪は長く鋭い。手足は細長く気味が悪い。



「元々此処に覚なんていないんだよ。アンタは依頼人なんかじゃなく、私を喰らうために来ただけだよね?」

「くっ......良く分かったな!しかし、のこのこ付いて来てバカか貴様!」


襲い掛かってくる化け物を横目に私は深く息を吐き雛に合図を送る。


シャランという鈴の音を響かせながら雛は口を開く。ゆっくり、ゆっくり、全身の力を抜きながら。


「汝の名跡を春隆



汝が犯した罪千秋を遂げ



血を流せ」



札を春隆に投げつけ壺を手の上に乗せる。少しずつ春隆が吸い込まれるがまだ、ダメだ。雛の力じゃ、まだ、弱い。


「少年、視える君はアイツを刺すことができるだろう」

「えっ......っ!?」

「やってくれるね?」



少年に刀を渡しながら問うと意を決し、強く頷いてくれた。


「狙うのは札の上一点だ。私が合図を送る」

「はい...」



雛の顔が一瞬歪んだ。そろそろ限界か、そう思った時に少年の背中を押す。





────面白くなりそうだ。


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