ジャンプ
彼女はずっと走っていた
彼はずっと彼女を見つめていた
走る彼女はまるで風のようで
たくさんの人を魅了していた
そして
期待されていた
そう遠くない将来日本を代表する選手になるだろうと
その重圧にも負けないように
頑張って走り続けていたのに
「諦めてください」
彼女の夢は
たった一度の怪我であっという間に散ってしまった
まだまだこれからという時だったのに
彼女は自分の居場所を無くしてしまったのだ
そんな彼女を救った彼
気を紛らわせる為に
愛なんてないのに
付き合い始めたことに気付いていた
それでも彼は彼女の傍を離れなかった
そんな彼に少しずつ惹かれていく彼女
また、見つけることが出来たんだね
彼の隣という
新しい自分の居場所
「好き」
その気持ちが
お互いの表情から見てとれる
詳しいやり取りは知らない
だけどある日を境に
二人の間に本物の愛が見え始めた
時折目と目で会話している
彼と彼女は
誰がどう見ても
恋人にしか見えない
周りをも
幸せな気分にしてくれる
どうかこれからも
そのままで
ありのままの二人で
居て欲しい
お互いの体温
お互いの呼吸
お互いの鼓動
全てをお互いに刻み込んで
一緒の時間を過ごして欲しい
もっともっと
大変な何かが起こっても
ずっとずっと
お互いに支え合い
どうか永遠に
二人が幸せで居られますように