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楽園への出発

投稿が遅れてしまい申し訳ありません。

1話とは書き方を変えました。

1話ものちのちこの書き方に変えるつもりです。2話からはどんどん日常を書いて行こうと思っておりますので楽しんでいただけたら幸いです。

夏休み。教室全体に広がる教師の声。

「夏休みなのに学校に来ないと行けないなんて…高校というものは実に理不尽だ」

「テストで赤点を取る雪人が悪いんでしょ」

隣にいる皐月がやれやれといった感じで首を少し傾げている。

「いや、俺は悪くない。俺は…あれは不可抗力だ!」

「何意味不明なこと言ってんのよ。ところでさ、終わるのは何時なの?」

「確か11時半に終わるはずだが…それがどうした?」

「な、なんとなくよ。気になっただけ!」

なんだ?よくわからない。

「ふーん」

女の子と2人きりのとき、静寂が訪れると不安な気持ちになってしまうのは男としては当たり前だろう。静寂を破りたくなってしまっても不自然ではない…よな?不思議じゃないよな?

「そういえばさ、皐月はどうして学校に行くんだ?部活は入ってないだろ?」

「あぁーうん。図書室に勉強しに行こうとと思ってね。宿題多いし」

「宿題か…でもそれなら家でやればいいんじゃないのか?」

「な、なんとなくよ!別にどこで宿題をしようが私の勝手でしょ!」

「な、なに怒ってんだよ!?」

「別に怒ってないわよ!じゃあまた後でね」

そう言い皐月は右手を軽く振って校舎の方へ走って行った。

「なんなんだ…?」




「終わったぁぁぁ!よし、帰るか」

教室の中には友達もいないのに大きな声でこんなことを言ったことを少し後悔する。

「あっ…」

ん?今なんかすごくわざとらしかったような、そんなことないような…

「皐月!?皐月ももう帰るのか?」

「う、うん。お昼ご飯持って来てないから…」

「そうだったのか…そうだ皐月、一緒にどこか食べに行かないか?」

「は!?えっ…なんで!?」

男からのいきなりの食事のお誘いだ。驚かない方がすごいだろう。てか今のは俺すごくチャラい男じゃなかったか?やればできるじゃないか、俺!

「俺って一人暮らししてるだろ?料理は基本は作ってるんだけどさ、こういう日って外で済ませた方が楽なんだよな…帰ってから作るのめんどくさいし」

「そ、それならっ…!」



「おじゃましまーす」

そう言って皐月は靴を脱ぎ家に上がる。

「メイドさんの手作り料理か…楽しみだなぁ…」

楽しみのあまり体をクネクネさせる。

「何を想像してるのかわからないけど私はただのバイトだから大したものは作れないわよ」

「いいよそれでも。現役メイドってことには変わりないんだし」

「それならいいけど…」


「ところで服はどこにあるの?」

「服?」

「メイド服よ!雪人の家では着るっていう約束でしょ」

顔を赤くしながらいつもはツンツンしている女の子がメイド服を貸して、なんて言われたらキュン死してしまいそうだ。

「あぁ、それなら今日はいいよ。今ちょうど洗濯しててまだ干してないから…」

「そう…それならエプロンだけ貸してもらえない?」

「エプロンなら冷蔵庫の横に掛かってるよ。自由に使ってくれ」



「へぇー…手際いいな」

「まぁ週に3回はバイト入ってるしね」

そう答える間も皐月(メイド)の手は止まらない。



「完成よ」

雪人前に出された皿に乗っている大きくて尚且綺麗な形をしたオムライスを見て確信した。皐月はいいお嫁さんになりそうだ。本人に言うと殺されそうだからやめとこう。

「いやぁ、やっぱこれだよ!メイドと言ったらオムライスだよ!!」

「冷めないうちに食べなさいよ。いただきまーす」

目の前に出されたオムライスの1/3くらいの大きさしかないものを小さいスプーンですくって食べる美少女を見るとやっぱり女の子だなと思う。食べている姿はなかなか絵になる。

「そうだな。いただきまーす!!」

大きな1口でオムライスを食べる。

「どう?」

皐月(メイド)が何かを求めるようにそこにいるもう1人の人物を見ている。

「うまいっ!これすごくうまい!スプーンが止まらない!!」

「そ。良かった」

安堵の息を吐きメイドも自分の食事を再開する。


「ごちそうさま!うまかったよ皐月!ありがとな!」

「その顔を見るに、満足してもらえたってことかな?」

「あぁ。もちろんだ。これほどうまいオムライスは今まで食べたことなかった。また作ってくれよ!」

また料理を作ってくれなどと男に言われたら誤解をしてしまう女の子も少なくはないだろう。これは今度から軽く言わないようにしよう。

「べ、別にそれくらいいくらでもしてあげるわよっ…じゃ、私は帰るわね」

「もう帰るのか?」

「うん。ちょっと今日は用事があって」

「そうか」

「じゃ、またね」

皐月(メイド)のお帰りの時間だ。

「おう、またな」

ドアが締まり切る。

「ふふ、また作ってくれ、だってさ」

メイド…もとい、皐月はスキップのような、だがスキップではないような動きでエレベーターへと向かって行った、ような気がした。



「海、行きたい!!!」

「いきなりどうした雪人」

「なぁ悠斗、俺、海行きたい」

「海かぁ…いいな!でも急にどうしてだ?」

「どうしてか、と聞かれれば答えないわけにはいかないな。よく聞け!夏といえば海!!」

「…………それだけかっ!?」

「あぁ」

「聞いた俺が馬鹿だった…。まぁいいさ、で、もちろん泊まりだろ?」

「もちろんだ。近くに良さそうな宿もあったし」

「それは後で画像送ってくれ。じゃあ適当に誘うか」

「分かった。俺が知ってる人にしてくれよ!」

「もちろんだ」

「じゃあ」

「おう」

つい15秒ほど前の電話の会話だ。

「さて、誰を誘うかな…」

電話帳を見ながらそう呟くのは悠斗。

「まぁ、皐月と梨乃、クノアは確定として……おっ、画像が来たか……1部屋4人か…」


「男と女は部屋を分けるとして、8人泊まれるのを5人っていうのもすこしもったいないな…もう1人誘うか。とりあえずまずは皐月たちに電話するか」

電話帳で七野(ななの)皐月を見つけてそこに書いてある番号を押す。

「もしもし」

「もしもーし、悠斗だけど」

「なんかよう?」

「あれ、皐月なんか怒ってる?」

「別に。あんまり好きじゃない奴から電話がかかってきたから少しイラついてるなんてことはないわ」

「あらあら、そんなこと言っていいのかな?」

「どうゆうことよ」

「実は…」


「雪人と…海にっ!?」

「あぁ、それで一緒に行く人を探してるんだけど…でも皐月は俺が嫌いなんじゃ一緒に行かないのかな?」

「…っ!悪かったわよ。嫌いじゃないわよ別に。行くわ。行きます」

「そりゃそうだよな、梨乃やクノアたちと雪人の間に何かあったら不安だもんな!」

「うっさい!」ガチャン

「ツーツー」

「皐月はいじりがいがあるなぁ」

次に柏崎(かしわざき)梨乃へと電話をかける。

「もしもーし」

「もしもーし、悠斗だけど」

「悠斗君?どうしたの?」

「実は……」


「海かぁ…ここ数年行ってなかったなぁ…うん。一緒に行かせてもらうよ」

「了解!雪人に近づくチャンスだもんな!」

「えっ…!?雪人君に近づくってそんな…」

「もう…悠斗君の意地悪!」

「ごめんごめん。じゃ、またな!」

「うん。ばいばーい」ガチャン

ふぅ…。

「次はクノアか…」

電話帳からクノアを探し出し電話をかける。日本人ばかりの電話帳の中からカタカナ文字の人を見つけるのは造作もないことだろう。

「はい。クノアですわ」

「もしもーし、悠斗だけど」

「あら悠斗さん。どうかされましたか?」

「うん、今度……」


「海ですか!是非共に行かせてもらいますわ。」

「良かった。じゃあまた」

「はい。それでは」ガチャン

「3人は来れるとして…あと1人どうするかな…そうだ!」




「お兄ちゃん、起きて!!」

「ん…琴湖(ことこ)か…あれ?なんで俺の家に?」

俺は自分の今いる状況が理解出来ていない。それもそうだ。いきなり誰かに起こされたと思ったら背が低い美少女(いもうと)が隣にいるのだ。普通の男子なら襲いかかってもおかしくは…そこは理性を保って抑えるのが紳士的な男子であろう。美少女よ、俺が紳士で良かったな。

「何言ってんの?お兄ちゃん。琴湖も悠斗さんから誘われて一緒に海に行くんだよ!」

「あぁ、そうか…朝ごはん何?」

「目玉焼きとお味噌汁だよ」

「んー」

「さて、お味噌汁を温めなおしますか!」

料理をする時の定番の、袖を捲るという行動を美少女がする。

「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

ドタドタドタドタバァーン

勢いよく扉を開ける。よく見たら壁がすこし凹んでいるな。だが今はそんなこと気にしている場合じゃない!

「琴湖、お前も海に来るのか!?」

「うんっ!」

「どうしたの?お兄ちゃん!」

「いや、何でもない」

俺はそのまま洗面所へと戻る。

「琴湖はまだ中学生…大人なしのお泊まりなんて大丈夫だろうか…そもそも琴湖はクノアと面識がないはずだ…上手くやれるだろうか…そこのところは皐月や梨乃に頼んでおくか。そもそも大人なしで中学生が旅行に行っていいのか?あぁ心配だ…いったいなんで悠斗は琴湖を…」

色々と考え事をしているうちに美少女がご飯の用意ができたよ、と言ってくれる。まるで新婚夫婦みたいじゃないか。妹が妻か、悪くな…いや、ダメだろ!常識的に考えろ俺!

雪人は口をすすぎ顔を洗った後顔を拭き洗面所をあとにする。

「いただきます。ところでさ琴湖、母さんたちはなんて言ってた?」

「何が?」

「お前が旅行に行くって言ったとき、母さんたちはなんて言ってた?」

美少女が作った質素で、どこか優雅な朝食を食べながら雪人は琴湖に質問する。

「んー…なんか言ってたかなぁ…」


「あっ、誰と行くのって聞かれたよ!」

「それで?」

「お兄ちゃんとその友達って答えた!」

「で?」

「なら大丈夫ね。って言ってたよ!」

「母さんたちはもう少し娘のことを心配するべきだろ…」

雪人は両親を頭の中で罵倒し始めた。なんで母さんたちは中学生の娘が旅行に行くのを許すんだ?馬鹿なのか?

「どうかしたの?」

琴湖が首をかしげている。こんな時ギャルゲーの主人公なら「いや、君の顔が美しくて、つい見とれてしまってたよ」なんて臭いセリフを言うのだろうな。いや、妹相手にはさすがに言わないか。

「いや、何でもない。」

「そっか。琴湖楽しみだなぁ、お兄ちゃんと旅行なんて!」

「そうか…」

雪人が朝食を食べ終わり、寝癖を直す。

『ピンポーン』

「ん?」

「あ、私が出るよ!……はーい」ガチャ

「あれ、琴湖ちゃん?」

「あっ、皐月さん、お久しぶりです!どうしたんですか?」

「あ、いや、雪人がちゃんと起きてるかどうか確認しにきたんだけど…琴湖ちゃんがいるなら安心ね。でも琴湖ちゃんなんでここに?夏休み中は日曜以外来ないんじゃ…」

「はい!そーなんですけど実は琴湖、悠斗さんに海に誘われまして!それでお兄ちゃんと一緒に待ち合わせ場所まで行こうと思いまして!」

「そーなんだ。琴湖ちゃんも誘われてたんだね!とりあえず家、上がってもいい?」

「はいどーぞ!」

「おはよう雪人」

「ん?おはよう皐月。さっきのインターホンは皐月だったのか」

話をしながらも俺は準備の手を止めない。


「できた!」

「やっとね」

「忘れ物ない?お兄ちゃん」

「あぁ、大丈夫だ。待たせたな。じゃあ行こうか!」

「そうね」

それぞれ自分のキャリーバッグを持って家を出た。


「あ、来た来た!おーい雪人君、皐月ちゃーん、それに…琴湖ちゃん!?」

小学校高学年の男子くらいの身長の童顔の美少女が幼稚園児のような驚き方をする。

「あぁ、俺が呼んだんだ」

「あ、悠斗君が呼んだのか。てっきり雪人君が勝手に連れてきたのかと思ったよ」

「さすがに雪人もそんなことはしないだろ」

「それもそうだね」

美少女(こども)が苦笑している。

「ごめん、ちょっと遅れたかな」

「いや、ちょうどだよ。後はクノアだけだな…」

「クノアさんが遅刻って珍しいね」

「あのぉ…クノアさんというのは?」

美少女(いもうと)が心配そうに言った。妹が困っている顔を見ると助けたくなるのが兄の本性だ。

「そっか、琴湖ちゃんはクノアのこと知らないか」

「うん…」

「クノアちゃんはね、ロシア人と日本人のハーフなんだよ!すっごく美人でなんでもできるすごい人だよ!」

「へぇー、ハーフなんだ!しかもなんでもできるって、すごいね!仲良くなれるといいなぁ」

「大丈夫だよ!琴湖ちゃんなら!」

梨乃(こども)は何故か自信満々で言った。

「申し訳ありません。遅れましたわー…」

走りながらこっちへと叫んでいる美少女(ハーフ)が視界に入る。

「はぁ…はぁ…申し訳ありません。遅れてしまいましたわ。」

「いいよいいよ、電車まではまだ時間あるしな。」

「雪人さん…そうなんですか…それなら…良かったですわ…ところで…」

「あぁ、この子は雪人の妹の琴湖ちゃんだよ」

「そしてこっちがクノアだよ、琴湖ちゃん」

悠斗が言った。

「は、はじめまして!雪人お兄ちゃんの妹の九条琴湖と言います!」

「か…かわいい…」

「えっ?今なんて?」

「なんですかこのかわいい生き物は!?」

美人のハーフが美少女を抱きしめている光景はすべての男に変な欲情を掻き立てるに違いない。なんせ俺が少し欲情しているのだからな!

「えっ…あの、クノアさん?」

「クノア…?何…してるの?」

「あっ…申し訳ありません。あまりに可愛かったのでつい…」

「ごめんなさい琴湖さん」

「い、いえ、少し驚きましたけど全然大丈夫です!これからよろしくお願いします!」

「えぇ、こちらこそよろしくお願いしますわ」

「さて、それじゃそろそろ行きますか!」

「そうだな!」




「やっと着いたな!」

「雪人はずっと寝てたけどな。電車で2時間だし、まぁ眠くもなるわな。しかしまぁ…」

海に来た人たちにとってあまりにもつらい現実をその目でしっかりと見る。

「雨、強いわね…」

「今日は海は無理だな…」

「雪人ここら辺って海以外に何かあったか?」

悠斗のその発言に答える者はない。

「り、旅館に行くか…」

5人が首を縦に振る。


「じゃあ荷物整理できたら俺らの部屋に来てくれよ。どうせ晩飯まで暇だしなんかしようぜ!」

悠斗が未知の花園へと入ろうとする女子達に言った。

「分かったわ」「「はーい」」「了解ですわ」

「それじゃ俺達も入……」

「おおおおぉぉぉぉ!結構広いじゃん!!」

もはや野獣のような声をあげたのは俺だ。理性では抑えきれなかった。

「もう入ってたのか…そもそも4人部屋だからなこの部屋は」

「まぁそれもそうか」

「それはそうとお菓子はしっかり持ってきたか?」

「当たり前だろ?なんのためのお泊まりだよ。今夜は寝かさないぜっ!」

「なっ、お前…俺を狙ってやがったのか!?」

こいつキモいな。なにを勘違いしてやがる。

「いや、そういう意味じゃねーよ。お前になんて興味あってたまるか!」

「ん、なんかその言い方むかつくな」

「何が不満だったんだ?」

「いや、不満って訳ではないが…興味無いって言われると、な」

「あぁ、そうか。すまないな。興味が無い訳じゃない。ただそういう目では見てない。これならいいか?」

「あぁ。俺こそ小さいことで怒ってすまなかったな」

「いいってことよ!」

「入るわよー」

「お邪魔しまーす」

「上がらせてもらいますわ」

「お兄ちゃん、悠斗さん、お邪魔しますね」

ぞろぞろと天使のような人が4人部屋へと入ってくる。

「なにしてんの…?」

「これは友情の(ちかい)だ」

「は?」

天使(さつき)は首を傾げる。

「まぁとにかく何かしようじゃないか」

悠斗がその場をしきる。

「で、何すんの?」

「ご飯まで1時間半ほどしかありませんわ」

「あぁ、ここは無難に大富豪でもしようか。罰ゲームはご飯の後ってことで」

「ええぇ、罰ゲームあるの?」

天使(りの)が心配そうに言った。

「確かに、なんもないと面白くないからな」

「私も、別にいいわよ」

「私も構いませんわ」

「お兄ちゃんがいいなら私も…」

梨乃以外の天使も悠斗の意見に賛成する。

「後は梨乃だけだな」

「でもなぁ…」

悠斗は何かを天使の耳元で囁きかけた。

「もしかしたら雪人に膝枕でもさせられるかもしれないぞ?」

「ほんと?」

「あぁ、可能性はある」

そう言って悠斗は天使から離れる。

天使は少し俺の方を目だけで見て、

「私もやるよ」

何!?俺なんかした?気になる!悠斗、何を言いやがった!

「あんた、梨乃に何言ったのよ」

「いや、ちょっとね」

「ルールは普通の大富豪と同じな。1回のゲームで大富豪と大貧民が決まる。そしたら大富豪が大貧民に1つ命令できるってことで。次始めるときは貧民が富豪にカードを渡す…みたいなのは公平じゃなくなるからなしで」

悠斗によるゲーム説明が終わり大富豪は始まった。


「そろそろご飯だな。悠斗、とりあえずここまでにしようぜ」

天使4人のまるで堕天したかのような暗い顔が明るくなる。堕天した天使というのも1部の人達には興味をそそりそうなのではあるが…特に俺とかな。

「そうだな、じゃあ罰ゲーム…というか命令、大富豪(おうさま)から大貧民(どれい)への命令はご飯食べてお風呂に入った後にするか」

大富豪の結果を書いた紙を広げる悠斗。

「えぇーと、結果的には…雪人が女の子4人に命令出来て、皐月が梨乃に命令出来て、クノアが琴湖に命令出来る…ってことだな。雪人はすごいな。4回連続大富豪だもんな。それからも富豪ばっかだし。皐月も後半で一気に強くなったな」

当たり前だ。このトランプは俺が持ってきたもの。ある程度状況をひっくり返せるカードには印があってだいたいの手持ちカードがわかるんだ。トランプゲームというのはな、持ってくるところから始まってるんだよ!

「運が良かっただけさ」

天使(さつき)がじっと見つめている。何?もしかして惚れた?それはないか。

「さ、ご飯食べに行こう…」

「ねぇ雪人、ちょっといい?」

「なんだ?」

「ちょっとこっち来て」

「なんだよ」

天使が耳元で言葉を発する。

「あんたズルしてたでしょ」

「ふぁえ?」

なんだ今の音。最近よく出るなこの変な音。

「このトランプ持ってきたの雪人だったよね?」

「うん」

「私が後半ほとんどあんたの邪魔してたのわかってた?」

「なっ…何が言いたい」

手は汗ですこし湿っている。

「ばらされたくなかったら私への命令、軽いものにしなさい」

脅迫というのはこういうものなのだろう。恐ろしすぎる。逆らえない。

「…仰せのままに」

「じゃ、ご飯行きましょ」

そう言って脅迫天使は他の天使達と食事へと向かった。

いかがでしたでしょうか。次話はなるべく早く投稿したいですがいつになるかはわかりません。1週間以内には投稿するつもりですのでまたよろしくお願いします。それでは。

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