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文化祭一日目その4

『さぁ、生徒会の皆さんが試食を終えました!それでは皆さん、投票を始めてください!』

「ドキドキするね!」

胸に手を当てている。

どうして人ってこういう時胸を抑えたがるんだろう?

「そうだね」

「また手が震えてきそうですわ」

「おいおい、もうやめてくれよ」

「冗談ですわよ」

クスクスとクノアが笑う。

もうすぐ結果が出る。

ふと観客の方を見ると一人の女の子が手を振っている。

「えっ!?琴瑚!?」

「横にいるのは…緋音ね」

「あいつ学校……そういえば今日琴瑚の学校創立記念日で休みか。それで文化祭に来たのか」

そう言って軽く手を振る。

体がぴょんぴょんしている。

心がぴょんぴょんしてるかは知らない。

緋音はそれを見てただ笑顔で見てる。

あいつって案外母親気質なのか?

「緋音ってさ、わかりにくいけどわかるよね」

「あぁ。俺も最近思ってた」

「よね」

「あぁ」

クノアと梨乃が首をかしげて見つめ合っている。

『さぁ!結果がでたようです!それでは発表したいと思います!今年の優勝チームは……』



「当然のことですわね」

「最初は優勝できるなんて思わなかったけどまさかね」

「なんか嬉しいね、こういうのって!」

女子三人がキャッキャしている。

とりあえずは優勝できたから良しとしよう。

ちなみに票数はダントツだった。

二位のチーム…悠斗のチームの3倍の獲得票数だった。

やっぱり妹神梨乃愛好会の影響がすごかったようだ。

不知火高校一年男子だとこの愛好会に入ってない人を数えた方が早いくらいだからな…

ちなみに俺がコンテストの後、新聞部のルーキーエースとやらにお礼をしに行った時に聞いた話だが、一年生の投票はほとんどが票俺らのチームだったらしい。

やはり梨乃、皐月、クノアの人気は一年の中でも絶大らしい。

「お疲れさん」

声がした方を向く。

「おう、悠斗か。お疲れ」

「本当に俺のチームが負けるとはな…」

「だから言っただろ?俺のチームは強いって」

改めて騒いでいる三人の方を見る。

いつの間にか緋音も混じっている。

あれ?琴瑚は……?

『お兄ちゃぁぁぁん!!』

「うわっ!」

突如腕に抱きついてくる妹。

腕が柔らかなものに挟まれているがこんなことは慣れている。

だから全然気にしないしまったくもって動じない……

ところでこれって揉んでいいってことなのかな?

いや、だって向こうから押し付けてきてるんだし…

「優勝おめでとう!お兄ちゃん!」

なんだこのかわいさ!俺の妹とは思えない!

しかしそんなことを思っていると周りに知られてはいけない…ここは冷静に…

「ありがとう琴瑚。それより今日家に泊まっていかないか?」

……ん?

なんだろう。周りの視線が妙に突き刺さる…

変なこと言ってないだろ俺は。

「おいおい雪人…それ琴瑚ちゃんが妹だと知らない人が聞いたらやばいことになるぞ。妹だと知ってる俺もその発言にはちょっと思うところがあるが…」

くそっ!俺の発言のどこがおかしかったんだ…

「え、お兄ちゃん………うん。いいよ」

「ストップストップ!九条君、あなた何言ってるかわかってる?」

「菫さん!?」

「あなた今女の子に家に泊まれって…」

何をそんなに慌ててるのか…

妹に家に泊まって欲しいって言っただけ…

あっ!そうか!菫さんは琴瑚のこと知らないんだ!

「菫さん」

「何?」

「妹」

「へ?」

赤らんでいた顔が一気に元に戻る。

「妹の琴瑚だよ」

「いもう…と…?」

「言ってなかったっけ?妹がいるって」

「い、い、い…言ってないわよ!」

怒っているのか、はたまた恥ずかしいのか、顔を赤くしている。

「じゃあ、妹です」

「さっき聞いたわよ!」

はぁ…とため息をつき

「ごめんなさい、私の勘違いでした。許してくれる?」

「別に怒ってないよ」

「そ…よかった…。でももう軽はずみにあんな発言したらダメよ?」

「そうするよ」

ところで、だ。俺の趣味を新聞部に暴露しやがった悠斗には少し仕返しをしとかないとな。

「それより皐月、梨乃、クノア、それに緋音も…今日は優勝祝いに俺の家でパーティーでもしないか?もちろん、敗者は抜きで」

そこにいた敗者(ゆうと)に目線を向けながら優雅に、そして高らかに発言する。

「な!?」

ふはははは!悠斗め、思い知ったかこのクソ野郎!

「いいね!楽しそう!」

「そうね、私も賛成」

皐月も悠斗のことを俺と同じような感じで見ている。

「私も賛成ですわ!」

「みんな行くなら私もおじゃましようかな」

四人の賛成は得られたようだ。

どうだ悠斗…悔しいだろう?

そう思いながら悠斗の方を見やる。

するとそこには…

「雪人様っ!どうかっ…どうか私も、その宴会に…参加させていただけないだろうか!」

ふはははは!地面に這い蹲う姿もなかなかのものだな!ふはははは!ふははははははははは!

内心ではこんなことを思いつつ、外見は至って冷静。

悠斗の頭を掴み質問する。

「なぁ悠斗…お前、新聞部の奴に俺の趣味教えただろ?」

手に力を加える。

「えっ?それ俺じゃねぇぞ」

「えっ?」

まさか…そんなはずは!!

「新聞部にそんなこと聞かれてないぞ俺は」

「本当か?」

「あぁ…てか俺の趣味も知られてたんだが…」

なんだと!?これは一体…

「お前の趣味って?」

「メイド喫茶に通うこと!」

「学校であれだけ言いふらしてたら知られるのも当たり前だろ!!」

首筋に肘をいれたやった。

「痛い!痛い!首肘打ちはマジでやめて!痛いから!」

「悪い悪い」

「うーわ、思ってなさそ」

こいつ…なかなか感が鋭いな。

でも本当に悠斗が犯人じゃないとしたら誰だ…気になるな……。

気になるといえば緋音がなんであんなに影が薄いのかも気になるんだよな。

あれから結構考えてるんだけど全然わからない。

まぁ今はいいか。

「悠斗」

「ん?」

「別に今日家に来ても良いぞ」

「本当か!?」

露骨に嬉しそうな顔をするな!

「あぁ。俺はお前にやり返ししたくて言っただけだからな。お前じゃないなら別に拒む必要もないし」

「天使よ…」

「きもい!」

再び首筋に肘をいれたやった。

「だから痛いから!やめて!!」

「悪い悪い。それで、菫さんもどう?」

「え?私?」

びっくりした表情でびっくりしている。

当たり前か…

「うん。多い方が楽しいし」

「そ、そう?なら…私もおじゃまさせてもらおうかな」

「うん。ってことで琴瑚、料理今日は久々に二人で作るか」

大人数の料理を作らないといけないからさすがに二人でした方が良いだろう。

「え、お兄ちゃんも作ってくれるの?ほんと、久しぶりだね!」

「ちょっと今日の皐月達を見てたら作りたくなってな」

俺があんまり料理してなくて不完全燃焼だということを微妙に悟らせないように言う。

「なるほどー!でもそれより今は文化祭楽しもうよ!私今日と明後日しか来れないんだし!」

「一般開放日両方じゃん!」

「二日間じゃん!お兄ちゃん達は四日間あるのに…」

ぷくっと頬をふくらませる姿は本当に抱きしめたくなる。よし、抱きしめよう。

その瞬間後ろから手をつかまれる。

「おいシスコン!ここではやめとけ!」

「悠斗…貴様っ!いつも俺の邪魔ばかりしやがって!あとお前にシスコンとは言われたくないな!」

「何だと?俺はお前みたいに実の妹に手をだそうとなんてしたことないからな!」

「ふん、それはお前に実の妹がいないからだろう?」

「俺が気にしてることをよくも…今日という今日は許さん!」

「そろそろ決着をつけようじゃないか!」


「あ、なんかまたあの二人のスイッチ入っちゃったみたいだから私達は文化祭を楽しもうか」

「皐月ちゃんに賛成!」

「そうですわね」

「お兄ちゃんと一緒に行きたかったけど…あれじゃ仕方ないね!」

「あ、私生徒会の仕事あるんだけど今日のこと何も聞いてないから後で九条君にスマホで送っといてって言っといてくれる?」

「わかりました!菫生徒会長!」

「そんな固い呼び方じゃなくていいわよ」

「じゃあ…菫ちゃんで!」

「ふふ…それじゃあね」

……

「やっぱ生徒会長ってかっこいいよね」

「梨乃はあんな風になりたいの?」

「んー…ちょっと憧れる、かな。私ってなんていうかちょっとぬけてるってよくみんなに言われるし…ああいう人はすごいなぁって思うかな」

「ふーん…ちょっと意外かも」

「意外?」

「梨乃ってあんまり憧れとかないと思ってたから」

「それって?」

「まぁ、なんでもないよ。気にしないで」

「???」

「それよりも早く行こ!クノアと琴瑚ちゃんに置いていかれるよ」

「あ、待ってよ皐月ちゃん!」

料理コンテスト終了です!!

次の話で多分一日目が終わるのかな?終わらないのかな?みたいな感じです!

ここからはギャグ路線でいくつもりでいてます!

おもしろいかはわかりません!


あ、それと……


なんと!


ブックマーク数が二桁になりました!!

(*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ

少ないと言われればまぁそうなんですけど僕にとってはモチベーションが上がるし嬉しいしでとても感謝してます!


ブックマークしてくださった方ありがとうございます!


これからもぜひ、よろしくお願いします!!


次はブックマーク以外の評価ももらえるように頑張りたいと思います!

ブックマークも頑張りますけど!


ではまた!

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