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文化祭一日目その3

ものすごい喧騒の中、料理コンテストは幕を開けた。

四組全ての一番手の紹介が終わる。

おいおい、趣味まで言われるのかよ…

これ、俺やばくないか…

でもまぁ知られてなければ大丈夫か。

『それでは一回戦、スタート!!』



『梨乃選手、綺麗にハンバーグをうらがえしたー!!』

『あれはだいぶ慣れてますね!形が全く崩れていない!』

『ナベブタさん、今のところ梨乃選手のチームが優位かと思われますがどうでしょうか?』

『そうですね!皐月選手のオムライスは見事でしたからね。ほかの選手の半分の時間で完成させて、見た目もほかの選手より良いとなるとオムライスはほぼ皐月選手の一人勝ち、な気がしますね!』

『ハンバーグについてはどうでしょうか?』

『梨乃選手もずいぶん慣れてるようですが、自称チーム料亭も負けず劣らずのようにも見えますね!』

『なるほど。ではまだわからないと?』

『そうですね!次のパエリアの選手、梨乃選手のチームの方が少し顔色が悪そうでもありましたので、どうなるかはわかりませんね!』

『そうなんですか!ならまだまだわかりませんね!』

熱い実況が繰り広げられる中俺達は舞台裏にいた。

「皐月お疲れ、ダントツだな」

「ちょっと本気出しちゃったよ」

照れながら言う姿はなんとも可愛らしい。

「出しすぎだな」

「それよりクノアは大丈夫なの?」

「はい。私ならもう大丈夫ですわ。少し熱気に当てられていたみたいですわ」

「本人もこう言ってることだし大丈夫だろ」

「そうね。じゃあ私着替えてくるから」

エプロン姿だった皐月は舞台裏に設置された着替えスペースへと入っていった。

「クノア、そろそろ梨乃も終わるから準備しないとな」

「えぇ。少しばかり私の実力を披露してきますわ」

ほんとにこのチーム、強すぎる。

実況を聞く限り皐月はダントツで梨乃もほぼトップ。

これはクノアと俺が相当なミスをしない限り負けないんじゃないか?

あっ…フラグ立てちまったよ…

この時はまだ知らなかった。

このチームの本当の強さを。



「頑張ってね!クノアちゃん!」

「任せてください!」

二人がハイタッチし料理コンテストは折り返しを迎える。

「お疲れ梨乃」

「ありがと雪人君!どうだった?」

「意外だったな、本当に料理が得意なんて思わなかったよ。てっきり梨乃は料理したら爆発すると思ってたから」

「もう!雪人君の意地悪!料理は爆発しないよぉ!」

頬を膨らませて拗ねる姿はどこか妹を意識させる。

こんな顔妹神梨乃愛好会に見せたらどうなるんだろな?みんな死ぬんじゃないのか?

「あ、梨乃!お疲れ様」

「あっ!皐月ちゃん!皐月ちゃんもお疲れ様!」

「梨乃も服着替えてきたら?」

「そうだね、そうしようかな」

『おおおおおおおおお!!』

「ん?」

『なんということでしょう!!!……』

「観客も実況もずいぶんと盛り上がってるな。実況が何言ってるか全然聞き取れないけど」

「何があったのかな?」

「ちょっと覗いてみよ」

そう言って皐月が舞台袖から顔を少し出す。

「皐月、何が起こってるんだ?」

顔を引っ込めた皐月が苦笑いしてる。

「クノア…なんかスイッチ入ってるっぽい」

??

よくわからないので顔を出して見る。

そこには豪快に料理をしているクノアの姿があった。

パエリアってあんなに豪快な料理じゃなかったと思うんだけど……

ロシア特有の作り方か?それともクノアのアレンジか?

それにしても悠斗が完全にいない存在と化してるな。

「うわぁー…すごいねクノアちゃん」

後ろから首をひょこっと出して見ている梨乃が目を丸くしている。

「これ、俺なくても優勝だろ…」

「ははは……否定できない」

皐月が苦笑いの表情で言う。

「でも四品作らないとダメだからなんか作ってよね」

「はいはい」



『ここで三人目が終了!!四人目の方の登場です!!』

「頑張ってください!雪人さん!」

「もう頑張る必要感じられないよ」

苦笑いでハイタッチを交わし舞台へと出る。

『それでは選手の方は料理に取り掛かってください!』

『ではその間に選手の紹介をしたいと思います!今のところトップかと思われるチームからは1年3組九条雪人君!ファンが多い、という噂があります!』

えっ、そうなの?俺が?まじ?テンション上がるんだけど。

『趣味はエ………』

自身の危機を察知して実況の方を見る。

すると新聞部のエースとやらがこれぞ驚愕!と言わんばかりの顔でこちらを見ている。

素早く首を横に振る。

新聞部のエースとやら、首を縦に振る。

『え…映画鑑賞!!大人ですね!!』

助かった…本当に助かった…

後で新聞部のエースとやらに礼でも言いに行くか…

それにしても、どうして俺の趣味が?

誰が言いやがった…悠斗か?まぁあいつしかいないよな…

ふふふ……

後で血祭りにあげてやる!

危うく俺の高校生活が終わるところだったじゃないか!

『……です!さて、四人の紹介も済んだことですし料理の実況をしていきましょうナベブタさん!』

『そうですね!四回戦は作るものが決められてないですからね。何を作るか、というのが重要になってきますね!』

さて…じゃあ作りますか。

ついさっき皐月、梨乃、クノアの料理を見て思いついたものを。

まず玉ねぎをスライスして…

これを水に浸しておく。

その間に俺秘伝の……



そして浸しておいた玉ねぎをのせて上にトマトをのせる、と。

そして最後に秘伝の……をかけて

『各チーム何を作っているんでしょうか!まだまだわかりませんね!』

『はい!ここからさらに熱いバトルが繰り広げ……おおっと!!九条選手、なんと5分もかからずに調理終了です!!』

『彼は何を作ったのでしょうか?』

『あれは……サラダですね』

『サラダ?』

『作った…のはおそらくドレッシングだけでしょうか!しかし九条選手、よくわかっていらっしゃる!』

おっ、さすが料理同好会だな。

俺が作ったのがどういう効果を発揮するかわかるとは。

『どういうことでしょうか?ナベブタさん』

『今までの料理はオムライス、ハンバーグ、それにパエリアです!重いんですよ、この三つは!炭水化物、肉、炭水化物…これらを食べた時に欲しいもの…それは癒し。そうサラダなどの食べやすいもの!これは審査員のことをよく考えている素晴らしい料理です!』

『なるほど!!下手に欲張らずに審査員を思いやる素晴らしい料理ということですね!』

そんなに褒められると照れるな…

俺にしては楽で良かったんだけどな!

『九条選手、他三人がまだ料理の最中に既に舞台裏へと消えていく!』

『もう材料もほとんど残ってないようですし、チームワークも素晴らしいということでしょうか!』


「お疲れ」

「お疲れ様!」

「お疲れ様ですわ」

「あんまり疲れてないな」

「そりゃあれじゃあね。でも大絶賛されてたじゃない」

「あぁ。あそこまで褒められるとは思ってなかったよ」

「でもとりあえずはお疲れだよ雪人君!」

「そうだな。一段落ってところだな」

「後は結果発表を待つだけですわね」

「そうだな」

そうして俺らの頑張るところは終わった。

後は結果発表を待つだけ。

でもはっきり言って優勝チームがどこか、もうわかっていた。

自意識過剰とかじゃなく……

フラグとかでもなく……

13話です!!

料理の描写がしょぼすぎるとか言わないでくださいね!

2日ペースなのに文字数が少ないのは申し訳ないと思ってます。

私事のせいなので…どうしようもないことですし…


それでも続けて読んでくださってる方、ありがとうございます!!

ブックマークも少し増えて内心すごく喜んでおります!

あ、あとどこか誤字がある、とか言葉が変、とかあれば言ってください!

自分では気付くにも限界があるので…


それでは次回でお会いしましょう!!


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