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ドクターキリコと私  作者: ノトリコウ
5/6

田舎と映画と

私の田舎には映画館が無い。





それどころかレンタルビデオ屋も無い。





いや、正確に言うと、

当時、映画館はあった。





家から電車に乗って45分、終点で降りる。






栄えてはいないが、街で唯一、デパートのある少しお高い町。

(と、当時は思っていた)





そこから歩いて20分の場所に、その映画館はあった。





昔ながらの古臭い映画館。






今風でいうと、





レトロな映画館、





もしくは味のある映画館






といったところだろうか。





一言で説明するなら





ミニシアターの様な佇まいをしているけれど

決してマイナーな映画を上映している訳では無く





全国上映の有名どころの映画達が上映されている。






(それも1ヶ月遅れ程で、だ)





席は自由席で





前から後ろまで高低差が無いので

前に座高の高い人が座れば

3分の1程下が見えない。





座高の低い人なんて言い方をしたが

大人の男性が座れば大抵そういう事態に陥る。





身体を斜めにして、

隙間を見つけて見ていると

その間に人の頭が来たりする。





じゃあ反対はどうかと傾ける。

それで隙間を見つけられたならラッキー。






両サイドに頭があったものなら、

諦めて真っ直ぐ自分の席について

上3分の2を見るしかない。






映画館のドアはとても軽く

いつも少しだけ隙間が空いていた。





狭い館内には多すぎるのでないかという程の

非常口が設けられており、

翠のライトが煌々と光っている。





それらのヒカリたちに

何度も集中力を削がれた。





売店には、

いつ作ったんだろうという疑問が浮かぶ

湿気ていそうなポップコーンが売られていた。





映画館ってそういうものだった。





だから滅多な事が無いと行かなかったし、

映画は金曜ロードショーで見るものだと思っていた。


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