表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドクターキリコと私  作者: ノトリコウ
4/6

高校と勉強

いつまで経っても怠け者の私は

自分のレベルより少しだけ下の学校を受験していた。






自分のレベルと同等、もしくは上の高校を受験して

何かの奇跡で入学出来たとしても

入学後に勉強に付いて行くために苦労するのでは無いか、

と考えたからだ。






姉は高校にあがってから

帰宅後、毎日机に向かっていた。






私はテレビを観たり、

漫画を読む事が生きがいの様に感じていたので

そんな生活は到底無理だわ

と思った。






私の人生には勉強するという概念が無い。






中学にあがってから

夏休みの宿題なんてしたことは無かったし、






テスト勉強はしないのが当たり前。






テスト前、

焦って机に向かっては見るものの

どんなに頑張ったって1時間程すると

脳の中の何かが"ぷちん″と切れるのだ。






しっかりと音をたてて切れるのだ。






勉強しなかったからといって

クラスの落ちこぼれだった訳では無い。






いつも中の下そこそこでうまくやっていたし、

授業が面白ければ中の上だってとれた。







努力が嫌いな訳では無いはずだ。

ただなぜか勉強をするという行為が出来ないのだ。






だから、

皆は家で毎日勉強してるよ

なんであなたは努力出来ないのなんて風に、

努力というものを勉強をするということでしか

測ってもらえない事が不満だった。






今ならそのことも少しばかり分かるのだけど。






そんな風に言われる度に

出来ないものが「しないもの」

という反発心に変わって

勉強をしようともしなくなってしまった。






母はよく

「勉強をすると将来の選択肢が広がるよ」

と言った。






だけど当時の私は

その意味がよく理解出来なかった。






なりたいものと勉強をイコールで繋げる事が出来なかった。






「じゃあ勉強しなくてもなれるものになるわ」






なんて分かった様な顔をして口答えしていたものだ。






あの頃、私にとって勉強は

自分のためでは無かった。






母に怒られないためにするもの。






そして、友達に対するステータス。






結果を見せ合った時に

自分が一番下で無ければそれで良かった。






勉強とは、私の人生においてそんな薄っぺらい存在だったのだ。






バイトをして、恋をして、おしゃれをして、

勉強なんて皆無の世界で






毎日毎日遊んでいた十七歳。






そんな屁理屈や怠慢が

大人の自分を苦しめるなんて考えもしない

若さと好奇心に溢れていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ