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ドクターキリコと私  作者: ノトリコウ
2/6

いのちの価値観

いつから、人生に絶望したのか。





深刻な問題なようで、

どうでもいい話だ。




ただ、二六年の人生で二度、

死のうとしたことがある。





一度目は中学二年生の時だった。





学校での人間関係に嫌気がさして、

全てから逃げ出したくなった。





日曜日の、真っ暗な部屋で、布団の中で、

ふと、思った。





空が、明るくなったら、

学校に行かなくちゃいけない。





明日が来なければ、





良いのに。






家にあった風邪薬を、

ひと瓶、服用した。






期待と、不安の中で

目を閉じた。






このままずっと眠っていられるのかな、






そしたら、もう学校に行かなくてもいいんだな、






だけど、苦しくなるもしれない、






痛くなるかもしれない、






それは嫌だな、怖いな、






頭の中でいろいろなことを考えていた。






そして気が付いたら、

悲しくなったりしていた。






家族に申し訳ないとか、

そういう部類の悲壮感では無く、






現実に起こっている

私に「死」を行動させた出来事が

走馬灯のように駆け巡って

耐え切れず涙を流したんではない。






思い出と引き換えな訳では無い幸せに

包まれてそして、






悲しくなった。





そこには、

だから、死にたくない。

なんて後悔は無く

だけどひたすらに悲しかった






気がする。






さようなら、私の人生。
















当たり前だけど、






朝はやってきた。






大量に飲んだ風邪薬のおかげで

長くこじらせていた風邪が治っただけだった。






自殺のことも、薬のことも、

何も分からない

子どもの自殺ごっこに終わってしまった。






本人には全く「ごっこ」のつもりは無く

至って本気。






それが、結果、

一人遊びで終わってしまったという話。






二度目の挑戦の機会が訪れたのは

高校二年生の時。







家庭環境に嫌気がさして、

全てから逃げ出したくなった。






考えることが嫌だった。






当時母親が服用していた睡眠導入剤と、

家にあった風邪薬をありったけ服用した。






服用して1時間、

全て外に出てしまった。






出そうという意思も無いのに

嘔吐したのだ。






身体が「生きろ」と言っているような

そんな感覚を感じた。






一度、風邪薬での自殺を失敗してるのに

二度目も風邪薬を選ぶなんて

我ながら学習能力が無い。






今では、

風邪薬や、睡眠導入剤では死ねず、

運が悪ければ寝たきりになる、ということくらいは分かるようになった。






今でも






明日が来なければ良いのに、






全てを終わらせたい、






逃げて楽になりたい、






そんなことばかり考えてる。






駅のホームの黄色い線を見ては、






死までの距離はあと何センチ、






なんて考える。






ギリギリに立つから

いつも遠慮なしにどんどんぶつかってくるみなさま

今日もどうぞぶつかってください





悟ったような顔でスタートラインに立つ私。





だけど、

実際ぶつかられて

線路に落ちそうになったなら

「きゃー」なんて悲鳴をあげるんでしょう。





臆病者で肝も据わらない。





死にたいと言っているうちに、

もうすぐ27歳の誕生日を迎える。



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