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ドクターキリコと私  作者: ノトリコウ
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苦痛な通勤

私は今、朝の電車で揺られている。





顔も知らない他人の汗と、薄らと漂ってくるお酒のにおいに吐き気がする。





7月の蒸し暑い車内。





冷房は効いている様だけど、

蓋を開けると

次々に飛び出してしまいそうなポップコーンの様に膨らんだ人達の熱気には敵わないみたい。





クールビスで半袖のシャツを着ているサラリーマン。






これがとても迷惑。






満員電車で腕が触れると、汗がダイレクトに付く。





トンッ、ヌルッ…





それに上から勢いよく吹き付けてくる冷房の風があたり乾いていく。





悪夢だ。





腕がぶつかったままの時もある。





すぐにでも腕を動かして離れたいところだけれど、

そういう状況の満員電車でそれをすると、

また別の場所がぶつかる可能性がある。





他人の汗が付く場所は少ないに越したことは無い。





だからじっと我慢。






やっとの思いで目的の駅に到着。






この駅はこの路線の駅の中で一番、人の乗り降りがある。






前の人から順番に、行儀よく降りたらいいのに、

みんな一斉に降りようとするものだから、

大きな塊になって下車することになる。






この塊に入ることが出来ればいいけど入り損ねたらもう大変。






電車のドアの脇にくっついて待ち構えている人達が、

少しの隙間を見つけて入り込んでくる。





そうなると、どんどん押し寄せてくる人の波に流されて

奥へ追いやられる羽目になる。





負けちゃいられない!

と突進する勢いで出口まで突き進むと

入って来ている人に舌打ちされる。





いやいや、私が出るのが優先でしょう。






でも口にしない。





それがこの街のふつう。






何事も無かった様に涼しい顔をして歩きましょう。






今日も一日が始まる。


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