たまねぎぼうず
畑一面、ネギ坊主。
収穫を逃した、ネギ坊主。
畝の上。
マルチの中。
黒一面の、畑に入って。
足音を立てながら。
すぱっと。
ネギ坊主を。
ぽとり。
何を考えたのか。
知りたくて、知りたくて。
一枚、一枚。
薄い皮に切れ込みを入れていって、ついに、君の首へ。
何もない、何もない。
空っぽの僕の目が映った。
目線の先は、緑色。
中空の先にその首が載っていただけ。
知りたくなかったから。
スライスし直し。
オイルの中へ。
あいた穴からもう一度。
今度は黄色くなった?
オニオンリングの太陽の下。
おかしいな。
僕の目にも、たまねぎぼうずがはえてきた。
アツカッタデスネ?
ありがとうございました。