肉と野菜
あの話のあった日の放課後。
俺と玲於奈は学校近くのスーパーにいた。
どうしてこうなった。
その理由は宮崎の話の続きにある。
「やっぱり林間学校といえば、カレー!その材料なんだが、ペアで相談しておいてくれ。んじゃ、頼んだぞ!」
おいおい...まじでか。
「おい、志田。」
玲於奈はというと、まるで肉体から魂が抜けたように、死んだ目をして宮崎を見つめていた。
「聞こえなくても続けるぞ。材料、どーすんだ?」
たっぷり10秒後、志田さんがログインしました。ちょっとトロんとした目してるけど大丈夫なのか。
「二人で行きます。」
「は!?正気か!?」
その瞬間、玲於奈の目が据わり、あ、やべ。みたいな顔をした。
「...獅子に二言はありません。」
「お前は俺よりよっぽど男だな。」
もう一発拳をもらった。
そして、今に至る。
なにはともあれ、材料を買いに行くか。
「じゃあまずは・・・」
「野菜だな」「肉ですね」
「・・・」
「野菜食え野菜。大いなる大地のうまみに感謝しろ。」
「お肉を食べなさい。そんなんだからこんなにひょろひょろなんですよ。もやしっ子。葉緑体無し男。」
「葉緑体無いの馬鹿にすんなよ!?」
「とにかく。肉とカレールーは私が見立てます。野菜などはご勝手にどうぞ。」
「言われなくともそうするよ」
それでは、行動開始。
やはり、野菜は多いほうがいいだろう。
そのほうが健康的だし、なにより。あいつに野菜うめぇ!と言わせたい。
よっしゃ、大量に買ってくぞ。にんじん、たまねぎ、じゃがいも。この辺はメジャーだな。あと、しめじ。アスパラガス。それとピーマン。こういったあんまりメジャーじゃないところの野菜もカレーで引き立たせる。
これは・・・勝ったな。
やはり、肉は多いほうがいいですね。
そのほうが美味しいし、体もしっかりするでしょう。なにより。彼にこのお肉美味しい!と言わせたい。恋するヒロインみたいなセリフですが、誤解しないでいただきたいですね。よし、いっぱい買っていきましょう。牛肉、豚肉、鶏肉。この辺はメジャーですね。あとは、ソーセージ。ハム、ベーコン。本当は羊肉とか猪肉とか買っていきたいのですが、このスーパーには売っていませんね。
しかしこれは・・・勝ちましたね。
レジの前で俺たちは合流した。
てか、あいつのカゴなんだよ。バー〇ンドカレーのルー以外、ものすごい量の肉が。じいちゃんの遺言が「おにくたべたい」だったとしてもこんな食わねえよ。
まあ玲於奈さんの方も俺のカゴ見て愕然としてんな。
「と、とりあえず会計しようぜ?」
「そ、そうですね!」
「なあ、志田さんよ。」
「なんですか、草原君。」
「財布が羽のように軽くなったよ(血涙)」
「ええ、私もです(遠い目)」
いくらなんでも買いすぎた。
「それでなんだけどさ」
「なんですか?」
「今夜家で食べてかないか?」