表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

妹と我が家の朝

「...ちゃん!」

幸福感あふれるまどろみの中から、俺を引きずり出そうとする声。

「...ぃちゃん!けいこ...]

あー、けいこちゃん。小学校の時のクラスのマドンナ。かわいかったなぁ、元気かな。

「にぃちゃん!けいこ遅れる!朝ごはん!」

その声は寝ぼけて小学校時代にトリップしていた俺を現実へと引き戻した。

しかしここで起きてはならない。起きたら負けだ。

「よし、なら必殺☆内臓爆裂パンチをやるしか...」

「んー、いい朝だなぁ!おはよう、里緒奈!」

「おそい!おなかすいた!」

「よーし、すぐ支度するから、1階で待っててくれ。」

「はやくしてね!」

そういうと我が妹、小学5年生にして空手世界チャンピオン、里緒奈はトコトコと階段を降りて行った。

あぶねえ、主人公が二話にして早くも死ぬところだった。

てかなんだよ、必殺☆内臓爆裂パンチって。☆って書けばなんでもかわいくなると思うなよ。

なんとなくだが、この愛すべき妹の出番は少なそうだな。勘だけど。

そんなことを思いつつ、制服に袖を通す。

今日から新学期。春休み中、ずっとお休みしていたこれを着ると、気が重くなる。

ブレザーに袖を通し、重いからだを引きずるようにして自分の部屋から這い出ると、階段を降りて、台所へ向かう。

すでに里緒奈は四人掛けテーブルにちょこんと腰かけて、テレビを見ていた。

我が家はめざまし派だ。

俺はイスにかけてあるエプロンを手に取り、腰に巻き付ける。

この家では、俺が料理担当なのだ。

ちなみに両親はというと、3年前に「ポケ〇ン探しにいくわ」と言ってどっか行った。いるといいね。ポ〇モン。

キッチンに入ると、まずボウルに卵を落とす。手際よくかきまぜ、塩コショウをふる。フライパンにそれを注ぎ、ぐちゃぐちゃにかき回す。タイミングを見極め、プレートに盛り、その後ソーセージも炒めて、プレートに。

そしてとどめに冷蔵庫の大量の野菜を40秒で切って、盛り付け。

これが3年間で身に着けた早業!スクランブルエッグプレート!!!

「里緒奈、できたぞー」

そういってプレート二枚とサラダの器をテーブルに。

「また野菜ばっか。」

そんな文句を言いつつも、すべて平らげるのが、俺の妹のかわいいところ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ