静かな夜に
眠る前のほんのひととき
静かな時間のなんとありがたいこと
こうして言葉を紡げることの
うれしさについ
調子にのって夜が深くなるのを
忘れてしまう
かつては眠れず、毎晩怯えて泣いて いた
震えながら朝がくるのをじっと待っていた
明日がくることが信じられなかった
昼夜逆転、夢遊病者のように生きたこともあった
今も心奥にある鉛のような不安が
小さく残っているけれど
こんなものに怯えるほど私は
もう、か弱くなかった
夜が深くなればなるほど
心奥の鉛が小さいことを悔やんで
いるのだから