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鳥と話すあの子

私立空浜学園。東京都某所に位置し、中高一貫校として偏差値も結構高め。倍率も高くて、ピーク時には倍率3倍にも上がるという、ものすごく有名な学校。

しかしその反面、何らかの事情をもってこの学校へ編入や入学をし、一般のクラスではなく別のクラスとして活動しているクラスも存在する。

それが私のクラスメイト達であり、私もその特殊な事情を持った者の一人だ。

そのクラスはあまりにも異質なため、一般のクラスの人たちや一部の先生の人たちからは「妙な教室クラス」として恐れられている。



その名も、“特例クラス”




今日は私が転入してきてすぐ、ということもあってクラス単位で放課後、学校をテリトリーとした「学校かくれんぼ」なるものが開催されていた。

鬼はもちろん私。渡された二枚の紙っきれを頼りにこの学校中からクラスメイト7人を探しださないといけない。

日が暮れても続くこのゲームは、私にとっては一刻も早く全員を見つけないといけないと思った。


日が暮れる、要は太陽と月が交代する番。

私はその時間に学校にいることを一番に避けたかったし、そもそも夜の学校、と言う時点で本能の恐怖心が震えあがってしまって仕方がない。

おばけ、と言う存在が全く架空のものだといくら言われたとしても、お化け屋敷には入れないほどの怖がりがリアルな夜の学校にいたら悲鳴の一つでもあげたくなるものだ。



「早く見つけないと……」



現在時刻は午後5時と長針が少し回ったところ。かくれんぼが始まってから既に1時間と少しが経過していた。

しかし、私はいまだにクラスメイトの“ク”の字すら見つけられていない。


それもそのはず。




「そもそもこの学校、広すぎるんだよ……」




渡された二枚の紙のうち、校内図を眺めながら幸せがいかにも逃げてしまいそうなため息を漏らした。



そう。

とにかくこの学校の大きさは尋常ではないのだ。

どこかの一つの区を貸し切って造られたのではないだろうかと思うほどの大きさを一人で回ってクラスメイトを見つけるなんて、そもそも「常人」ではできることではない。


「……このクラスは普通じゃないんだっけか……」


その思考にいたったとほぼ同時くらいに自分が今探そうとしている人たちがそもそも「常人」ではないということに気が付き、うなだれるように近くにあった木にもたれかかった。

こんなのできるわけがない、チートを使ってでもしなくちゃクリアできないゲーム、所謂ムリゲーといわれる部類のゲームなのではないだろうか。



「んじゃ何でこんなことしてるんだよ……」



開き直ってみると、こんなことせずともみんなで回ればよかったのに、どうしてこんなことになってしまったんだろうか。学校案内にかくれんぼを採用するクラスなど、私はかつて出会ったことがない。そんなことに付き合わされている自分がどうもバカバカしくなってきてしまう。



「でも、見つけないとなぁ……」



そしてここで私のマイナスとも言えるしプラスとも言える持ち前の「責任」のスキルが発動された。

鬼になってしまった以上、最後までこのゲームを続けないと罪悪感で自分が押しつぶされてしまいそうになる。そんな弱い心を持つ自分が、今では憎たらしくて仕方ない。



「ここは校庭だし、隠れるところなんて―――――」




そう思って次の場所へとシフトチェンジしようとしたとき、私は思わず絶句してしまった。


いた。

隠れるどころか、木の上で何羽もの鳥に囲まれてそこだけ異質的なオーラを発しているではないか。

しかも普通に人間の声がする。こんな時間にあそこにいるのは間違いない、うちのクラスの誰かだ。


少し青みがかっている髪色に、男の子にしては少しだけ長い髪の毛。手入れもされていて風に揺れるたびに爽やかに揺れる。




「やぁリク、元気にしてたかい?

ん?まぁまぁ落ち着いてサリー、君の分の餌もちゃんとあるから」




彼の姿は教室で見る姿とは打って変わっていて。

真っ直ぐな笑顔で鳥たちと戯れて、教室ではみることが滅多に叶わないと言われている彼の爽やかな笑顔がそこには映し出されていた。


絵になっている。少し昔の画家が描いたのではないかと言うほどの爽やかなそのオーラは、声をかけることすら忘れてしまうほどのものだった。





「んー?どうしたのさルル?そんなにはしゃがなくたって、僕は逃げないよ?」




彼は私に気が付いていないのか、なおも鳥たちと戯れることを続けている。

その慌てふためいている(と思われる)鳥は私と目が合い、鬼である私が来ていることを彼に伝えようとしているのだろうが、彼にはどうやら上手く伝わっていないようだった。




一息ついて、私は決心付けて声をかけようと思った。











「みーつけた!












巧真君!」






「……んにゃ!?」












開始1時間、ようやく1人目の少年を発見した。




……これ、いつまでかかるんだろう。

何か月ぶり?なんて野暮な質問は受け付けてね―ぜ★←

と言うことでどうもです、森野です。


この前道端で突然「鳥と話せる人がいたら面白い」なんて思ったと同時くらいにこのネタ思いつきました←

そのネタがいちばんしっくりくる、ということで彼を一番最初に出させていただきました。

他の人だと何かとあわなくて、巧真君が一番役としてしっくりきたんです。


この前具体的に空浜学園の校内図考えたんですけど、ここには載せられないようなので、言葉を使ってなるべく説明できるように頑張りたいと思います!

ということで、今後ともどもよろしくお願いします!



では、今日はこの辺で失礼します!(`・ω・´)

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