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瑠璃光の復讐者(リベンジャー)~両親を悪徳貴族に殺され、妹と生き別れになった僕。運命の出会いをした美少女と共に機械巨人を駆り、世界を救う!~  作者: GOM
 第二部 僕は世界を救いたい。

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第33話(累計 第79話) 久しぶりの師匠との会話。そして……。

「師匠、お久しぶりです。お元気……では、無いですね」


「まあ、こんな感じだし、ギガスもトシ坊にコテンパンにやられちゃったわ」


 僕は警戒をヴィローに任せてコクピットから降りた。

 そして何年かぶりに師匠の顔を肉眼で見た。


 ……危ないからコクピット内に居てよって言ったんだけどエヴァさん。「トシだけにしたら危ないの」ってついてきてくれたんだ。


 身体中に鉛色の機械を埋め込まれている師匠。

 それでも、そのどこか寂しそうな笑みは昔のまま。


「僕を庇ってくれた後、師匠はプロトさんに救われたんですね」


「まあ、そうらしいわ。わたしは半分以上死んでたから、後から聞かされたんだけどね。身体の半分くらいを機械化されて生き残ったのはいいけれど、人工心臓とやらのスイッチは今もプロト嬢が握っているわ」


「デイお姉様、絶対にわたしがお姉様を守りますわ。わたしが横に居れば、プロトお姉さまからの停止信号をジャマ―出来ます!」


 師匠の笑みは、どこか困った風。

 その視線は、自分にぎゅっと抱きつく少女に向けられている。


「貴方がわたしの姉か妹かしら。今回はわたしとリリちゃん、そしてトシの勝ち。負けたからには勝者の意見を聞くの! トシ、貴方なら師匠さんやこの子を悪いようにはしないわよね」


「う、うん。それはもちろんだよ、エヴァさん。と、いう事で二人とも、投降して僕と一緒にラウドに来ましょう。師匠の身体の事は、なんとかするということで良いかな?」


「うんうん。それでこそ、お人好しのトシなの! 良いかしら、貴方」


 そして師匠の横の少女にそっくり、少しお姉さん風なエヴァさんも彼女に対抗してか、僕の腕にぎゅっとしがみ付く。

 そして、ささやかながらも柔らかい胸部のモノを押し付けに掛かる。


 ……当ててるのかよぉ。今、リリが横に居ないからって大胆なんだからね、エヴァさんったら。


「いいわ、エヴァ02。いえ、エヴァお姉さま。わたしは、アルクメネ03、貴方の妹になる存在です。デイお姉様を守って下さるのなら、喜んで投降しますわ。良いですわよね、デイお姉様」


「うふふ。勝手に話を勧めちゃって、困った可愛い子達ね。トシ坊、君の所にはこんな子達が随分と集まるけど、これは女難の一種かしら」


「確かに最近、周囲に女の子が多く集まる気もしますね、師匠。貴方も女性ですし。ははは!」


 これで人工の女神。

 ノルニルシリーズが四人、僕の周囲に集まった事になる。

 その力を悪用する気は一切ないが、これはこれで危ないかもしれない。


 ……ヴィローもいるし、プロトさんを倒した後に世界を支配することも不可能じゃないかな。でも、面白くないからやらないよ。


「だいじょーぶ。わたし、おねーちゃんだから、絶対に守ってあげるよ」


 声の方角を見ると、リリがぎゅっと自分よりも小さな少女たちを抱きしめている。


「そうか。あの子が、リリちゃんがトシ坊を救ったんだね。アタシと一緒の頃は荒んだ目をしていたのに、今は戦闘が終わったばかりなのに、柔らかい目をしているわ」


「はい。リリのおかげで僕は復讐鬼になるのを止めてもらいました。師匠の敵討ちをした後に死にそうになって、リリを見つけヴィローを託してもらったんです」


 師匠は柔らかい表情で、泣きながら少女の頭を撫でているリリを見ている。

 僕もリリを見て、笑みを浮かべてしまった。


「そうなの! リリちゃんは、わたしの自慢の妹なんだからね」


 何故か偉そうにドヤ顔のエヴァさん。

 自分も含めて、多くの人々を救っているリリの事が誇らしいのだろう。


「あれ、エヴァお姉さま? リリお姉さまは、リリン01。製造ナンバー的にはエヴァお姉さまの姉になりませんか?」


「そうなの? あ、確かにそうだったか。マザーさんもそんな事を言ってましたし」


「いーえ! 絶対に違いますの。アルクメネちゃん、それにトシ! わたしの方が、リリちゃんのお姉ちゃんなの! だって、あんなに可愛いけどアホで何も考えていない子がお姉ちゃんだったら、心配どころじゃすまないもん!」


 しかし、アルクメネさんのツッコミで慌てだすエヴァさん。


 ノルニルシリーズの事は、マザーさんから僕も聞いていた。

 プロトを長女。

 試作型として次に生み出された次女、プロダクトモデルの初号機がリリ。


 なので、本来であればリリがエヴァさんの姉ではあるのだろうが、外見年齢や手のかかるアホ娘だから、エヴァさんの方が姉であろうと本人含めて全員で見ていたのだ。


「うふふ。トシ坊の近くに居たら笑いが止まらないみたいね。アルちゃん、一緒に投降しましょ」

「はい、お姉様」


 このまま、笑顔で終わるとこの瞬間まで僕は思っていた。


「あら、わたくしの到着が送れたばかりに、もう戦いが終わってしまったのかしら?」


 戦場に傲慢さを感じる女性の声が大きく響く。


「え、プロトお姉さま!?」


「これがプロトの声? どこから?」


【マスター! 急ぎコクピットへ。師匠様もこちらへ。リリ姫、急いで下さいませ。敵は十一時の方向、上空三千メートルほど先です!】


 ヴィローの警戒を受け、そちらに視線を向ける。

 そこには、朝日をバックにした巨大な蛇、いや龍の姿が空を舞うのが見えた。

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