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瑠璃光の復讐者(リベンジャー)~両親を悪徳貴族に殺され、妹と生き別れになった僕。運命の出会いをした美少女と共に機械巨人を駆り、世界を救う!~  作者: GOM
 第二部 僕は世界を救いたい。

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第26話(累計 第72話) 地獄のカレリア。

「ぐははは! これで良いのだよ。ラザーリは甘すぎた。全ての美しき娘は全て私の物だぁ!」


 一部建物が崩壊しているカレリア公館。

 その中でもっとも豪華な部屋の中。

 そこに持ち込んだ豪華なベットの上。

 甘い香と女性の汗、爛れた怠惰な匂いが部屋に満ちている。


 カレリア民主労働党 元人事委員長パブロ・レリヤ。

 下着姿の彼は、肌も露わな量産型ノルニル(妹たち)や地元の美少女らを複数人、ベットに連れ込んでいる。

 そして下品な笑みを浮かべつつ、褐色肌の少女の胸を揉みながら、表情の薄いノルニルの唇を奪っていた。


「パブロ殿。カレリアに来て、もう一週間にもなるぞ。いい加減、次の行動方針を決めてはくれないか? 防衛体制も碌にない状態で、敵に襲われると困るのは貴方だぞ?」


「デイアーナ殿。貴君と私のギガスが居れば、他の敵なぞ問題はないですぞ。襲ってくるものは全て凪ぎ払えばいいのです。しかし、貴君も実に美しい。後、十五は若ければ、抱いていましたよ。ああ、待ちなさい。次はあなたを愛してあげますからね」


 デイアーナは美魔女な顔を歪ませ、下品で怠惰なパブロに苦言を放つが、彼は一向に気にせず今日も爛れた粘膜同士の接触を行う。


「意見は言ったぞ。これで、何かあってもパブロ殿の責任だからな!」


 あまりに醜悪な行為を前にデイアーナはパブロの部屋を離れた。


「デイお姉さま。あれは、もうどうにもなりません。プロトお姉さまに連絡しておきますね」


「……お願いね、アルちゃん。貴方はどう見る? 既にトシ坊は、こちらの状況を知っているはず。攻めてくると思う?」


「そうですね。エヴァちゃんやレダちゃんが向こうにいる以上、甘くは無いと思います。お姉さまが敵と分かっていたら、勝てる準備をして来るでしょうね」


 私室へ移動をしながらアルクメネに意見を聞くデイアーナ。

 窓の外では、今日も略奪に精を出すパブロの私兵らが見える。

 彼らは、泣き叫ぶ少女の髪をひっぱり、卑俗な顔で舌なめずりをしていた。


「こんな状況を見れば、人類に絶望をするのは分かる気がするわ。でもね、全部の人類がこんな下衆どもじゃないのは、分かっていてね、アルちゃん」


「はい、お姉さま。少なくとも貴方やトシ様は全然違います。妹たちが三人も懐いていくのは、普通じゃないでしょう。敵ながらトシ様は凄いですね」


「そりゃ、アタシの最高の弟子だもの。トシは。さあ、今度はその最高の弟子との戦い。パブロは囮に使っても良いかしら?」


 敵であるはずのトシを褒めてもらい、嬉しそうなデイアーナ。

 戦うのはしょうがないが、それでも戦う相手を憎むのではなく、競い合う関係になるのはデイアーナとしても嬉しい事だ。


「ええ。あの見るのも汚らわしい汚物は焼却してしまいましょう。妹たちが汚されているのを、これ以上見ていられません。一体、プロトお姉さまは何を考えているのでしょうか?」


「あの人には、人類への怒りを感じるわ。貴方達は全ての母体として生み出されたと聞いているけれど、勝手に運命を決められたことへの怒りかしら?」


「プロトお姉さまは今、わたし達の弟。全ての父となるアダムを生み出しています。そしてヒトのオスの力を借りずに、ノルニルだけの世界を作るつもりなのかもしれません。だからこそ、愚かな人類の所業を嘲笑なさっているのかも」


 ……これは、トシ坊との戦いが今後の世界の運命を決めるキーになりそうね。


 プロトが最終的に何を望むのか。

 それ自体では、自分の行動も変わる。

 デイアーナは、自らの命の使い道を考えた。


「さて、あまりに酷いから少々街で暴れてきましょう。あんなのは生きてても無駄なゴミ。アルちゃんはどうする?」


「是非お供させてください、ディお姉さま。あのような愚劣で汚らわしいな者達は処分するに限りますわ」


「そうね。じゃあ、大掃除しましょ」


 デイアーナとアルクメネは二人並び、公館を出る。

 そして目に余るパブロの私兵どもを見つけ次第、「処分」していった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「アカネさん、今どんな状況ですか?」


<うーん。あともう一歩なの。もう少し時間が欲しいのよ>


 僕は、マザーさんの処に出張中のアカネさんに連絡を取る。

 彼女に新しいヴィローの武装を開発してもらっているけれど、現状では師匠との対決には間に合いそうもない。


「そうですか。では、慌てず急いでお願いします。昨日の観測では、明後日くらいにはカレリアからの軍勢がラウドに来そうなんです」


<分かった。テスト無しの本番一発勝負になるけど、明日には仕上げてみるよ。アタイ、頑張るね>


「お願いします」


 通信を切り、僕は窓の外の風景を見る。

 今日も砂漠は、月明かりに照らされ銀砂の海。

 また明日以降、この砂漠に多くの血が流れる。


「どうしたら、皆戦わずに暮らせるんだろうね」


「みーんな、おにーちゃんみたいに優しかったら良いにね」

「リリちゃんに同意見なの。お兄ちゃん、絶対に生きて帰ってきてね」

「ナオミちゃん、任せておいてね。わたしやリリちゃんが絶対にトシを守るわ」


 僕の呟きに反応してくる乙女たち。


「おいおい。僕がリリやエヴァさんを守るんだろ? まったく困った娘達だよ。で、いつになったら自分の部屋に帰るの? 僕、眠れないんだけど」


「みーんなで一緒に寝るの。その為に大きなベットをおじちゃんに頼んだんだもの」


 最近、僕の私室のベットが交換され、妙に大きくなったのは、どうやらリリの暗躍があったらしい。


「みんな、おにーちゃんに抱きついて寝ようね」

「うん!」

「わたしは横で寝るわ。まあ、トシなら襲わないわよね」


 どうやら僕にはシリアスに悩むのは許されないらしい。

 その晩も、僕は甘い女の子たちの香りに包まれて、我慢しながらの睡眠となった。

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