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瑠璃光の復讐者(リベンジャー)~両親を悪徳貴族に殺され、妹と生き別れになった僕。運命の出会いをした美少女と共に機械巨人を駆り、世界を救う!~  作者: GOM
 第二部 僕は世界を救いたい。

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第16話(累計 第62話) 雷帝との対決。

「ほう。獲物が、()()りみどりだな」


「ラザーリ様。くれぐれも油断しないでくださいませ。幾度も出撃をしている以上、敵も警戒している可能性があります。野営地の魔力反応も、かなり高いのでご注意を」


 月明かりも無い夜空を静かに舞う、赤褐色の装甲を持つ神話級ギガス雷霆(らいてい)神「デーヴェーンドラ」。

 彼の眼下に広がる夜の砂漠、銀の海の上には、多くの野営地テントがあり、兵らが焚火をしている姿も見える。


「さあ、愚かにもカレリアに査察という名目で侵略の手を伸ばす共和国のイヌ共め。神の雷にて滅ぶが良い! 《インドラ・シャクティ》!」


 共和国査察部隊の野営地に向けて雷撃を撃つべく、自らの上空に黒雲を呼ぶデーヴェーンドラ。

 その異名たる神の名前(インドラ)を唱え、パイロットのラザーリが攻撃を開始した瞬間。


「地上に極大魔力反応が発生! ラザーリ様、ご注意を!


 急速に成長した積乱雲から放たれた数億ボルトの雷光が、機体の下方に放たれる。

 しかし、それは野営地の直上に発生した高レベル魔力バリアーにより受け止められた。


「ラザーリ! これ以上、お前には誰も殺させないぞ!」


 地上より魔法で覚醒された大声が上がる。

 声の先には、それまで被っていたであろう天幕を吹き飛ばした、六本腕を持つ異形のギガスが立っていた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「ふぅ、危なかったよ。アイツ、魔力をステルスにしていないし、ゆっくり飛行してきたから、防御が間に合った」


「今晩辺りに攻めてくるのさえ分かっていましたら、対応は楽ですわ。瞬間移動で頭上にいきなり来られたら怖かったですけど」


「だよね、トシおにーちゃん、エヴァおねーちゃん。じゃあ、ここから反撃! 野営地から敵を引き離すの」


【御意! では、トシ殿。姫様方、いきますぞ】


 奇襲な雷撃を封じた僕とヴィロー。

 こちらに注目を引き付けるべく、待機状態だったヴィローを完全稼働で立たせ、声を上げた。


「ラザーリ! これ以上、お前には誰も殺させないぞ!」


「オマエは、ラウドのガキかぁ!? ボクらから子供を奪った誘拐犯が何を偉そうに!」


 ……やっぱり、あの機体に乗っているのはラザーリだったか。カマかけて正解。おそらくリリの姉妹も一緒なんだろうけど。


「あの子は僕の妹だ! 実の兄が、酷い仕打ちを受けている妹を奪い返してどこが悪い! 奴隷購入費がどーというなら、水生成プラントの代金の方が高いだろ!」


 僕の掛け声に反発し、感情的に声を荒げるラザーリ。

 それを、より煽る様に僕も言い返した。


「それでも! それでも、ボクらの崇高な願い。子供たちだけの楽園を作り上げるのに、どんな子供でも必要なのだぁ。ボクに子供を返せぇ」


「ラザーリ様、貴方は一体何をお考えかしら? 貴方たちは子供が大事と言いながら、その子供たちを搾取、イジメてますわよ。トシ、こんなバカはとっとと倒して終わりにしましょう」


 もはや正常な思考を保てないのか、意味不明な事を叫ぶラザーリに対し、ケンカ腰のエヴァさん。

 子供好きなエヴァさんは以前からカレリアの所業に怒っていたが、この場においても子供を返せと言うラザーリにブチ切れた様だ。


【はぁ。ラザーリ様は、神話機体からの精神フィードバックに耐え切れずに壊れてますね。残念ですが、ここで倒すのが慈悲かと。操者を守れない機体とは愚かです。同じ神話級として嘆かわしいですね】


【コ、コロス! ワレ、ハ偉大なる天帝ナリ。タカガ、鬼神ゴトキガぁ!】


 ヴィローすらも相手機体に対し、挑発的な言葉をぶつける。

 今まで無言だった敵機体も、自らの声でヴィローに対し殺害宣言をした。


 ……皆、口が悪いしケンカ早いなぁ。でも、これで十分に挑発できたに違いない。さて、ここからは僕らのターン。


「おにーちゃん、もう終わらせてあげようよ」


「そだね。いくよ、みんな」

「はい」

【御意】


 僕は一気にスラスターを吹かし、共和国査察部隊の野営地からヴィローを飛びだたせる。

 そして、空中の敵に向かって牽制の魔力弾攻撃をした。


「このぉ。言わせておけば! デーヴェーンドラよ、雷撃を撃ちながら後退するのだ」

【了】


 接近戦を嫌い、細めの雷撃を繰り出しながら後方へ逃げようとする敵機。

 しかし、この隙を逃す僕とヴィローではない。


「いっけぇ、疾風怒濤!」

【御意!】


 二人のノルニルによる魔力増幅、そして並列同期稼働している魔力炉から生み出させる膨大な魔力。

 暴れまわるパワーを必死に制御し、機体の周辺にドリル状のバリアーを生成させたヴィローを、僕は敵機にぶつける様に加速させた。


「くぅ。ボクとママに仇名す悪鬼がぁ。天帝の名を持つギガスの雷に撃たれるが良い!」

【ホロベェ!】


 細かい雷撃を回避したり、バリアーで弾きながら接敵した僕ら。

 抜きはらった二振りの刀で、敵機。

 デーヴェーンドラに切り付けた。


「このぉ、しつこいぞぉ! ラウドのガキ」

「しつこくて当然。ここでお前、ラザーリは倒す!」


 四本腕を持つデーヴェーンドラ。

 前腕の小手から蒼く輝く剣を突き出し、ヴィローの斬撃を弾こうとする。


「甘い!」

「ぐわぁ」


 ただラザーリの剣さばきは稚拙。

 機体自体の能力で数合は撃ち合うが、剣先を翻したヴィローの斬撃が敵本体に傷をつける。


「なれば、共に天の雷に撃たれよ! 《インドラ・シャクティ》」



 剣の間合いなのに、破れかぶれの雷撃を繰り出すデーヴェーンドラ。

 ヴィローのモニターは、とてつもない閃光に覆われた。

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