51.ドラゴンさんは楽しくなる
「なんか運営が楽しくなってきたのう!」
ダンジョンに次々と入ってくる冒険者は適当にモンスターをけしかけておいて我はダンジョンをいじる。
新しく入ったスピアとベルのお陰でダンジョンの運営はいい感じじゃからな。
増えたDPで新しく階層を増やしたしのう。ゴーレムメーカーで作ったゴーレムにゴーレムメーカーに材料の岩をひたすら放り込ませ続けてクレイゴーレムが永遠に増え続けているからのう。
第一、第二階層に大量投入してやったわ!
そして二体位は我がカスタムしたからな。
「ふっふっふ、ただのゴーレムではないのじゃよ」
「マスター、ゴーレムにどんな期待をしているんですか」
「ふふん、見た目はただのクレイゴーレムじゃが、中身は別物にしといたからの!」
外側は岩、じゃが中身というか骨格部分はは魔剣を素材にしといたからな。下手すればアイアンゴーレムより強いからのう。
なにせ魔力を帯びた武器、そして骨格な素材わけじゃからな、ただのパンチすら並の冒険者を粉砕するじゃろうからな。
「見よ、ヘルガ。冒険者がワンパンじゃぞ」
「顔、消えましたよね」
モニターに映るのは我がカスタムしたゴーレム一号が残像を残すような速度で冒険者に迫り拳を叩き込んでおった。拳が当たった部分は吹き飛んで、いや、消し飛んでおるからな。
じゃが魔剣ゴーレムは燃費が悪いんじゃよな。すぐに魔力切れで帰ってくるし。
「ご主人、何を想定して作ってるんです?」
「今ある素材でどこまで作れるか試しただけじゃが?」
魔剣っていい素材じゃよね。
ゴーレムメーカーに放り込めば強いのが出来たりするしのう。
冒険者の数もやたらと多いからこれくらい強いゴーレムがいても少ししか減らん。なにせ範囲攻撃の機能は付けておらんし。あくまでも単体戦に特化させとる。
ま、当面は放っておいてよしじゃな。
そしてジョバンにはゴーレムを作るのには得意だというからのう。我の溢れるアイディアをまとめてもらわねば!
色々と考えているわけじゃが、ダンジョンにいるたまに結構強い冒険者がいるみたいじゃが大体はガチャ産の武器を持っておるみたいじゃな。あれは強いから仕方ないとしか言いようがない。
ま、強いといってもゴーレムの数の暴力に負けとる連中が多いがな。
あ、死んだ。
「ガチャの武器をゴーレムメーカーに入れたらどうなるんじゃろ?」
「バカご主人、勿体無いからやめてください。回収したガチャの武器は再利用するんですから」
「エコじゃな」
さすが機械族、無駄がない。でも少しくらいは使っても……
いや、辞めとこう。ヘルガも怒ったら怖いんじゃがスピアの奴も怒ったら怖そうじゃ。
じゃから新たなフロアを弄ることにした。
今回は3階層分追加するので我ダンジョンはこれで全部で6階層になるわけじゃな。
これは初心者ダンジョンを脱却したのでは?
「甘い、クズご主人は甘すぎる。中堅と呼ばれるダンジョンは20階層を超えてから」
「遠いのう」
20階層とかさぞ儲けとるんじゃろうな。管理も大変そうじゃ。
「ヘルガ先輩、アイアンゴーレムの渦も何個か追加して適当に配置してきましょう。多少の還元を冒険者に与えて置かないと」
「確かに、アイアンゴーレムは金属の塊なわけですしね。売ればそれなりのお金になるでしょう」
「そしてその儲けたお金をまたガチャに注ぎ込んでもらう」
「「ふっふっふっ」」
悪どい連中じゃな。




