47.使い魔さんはダンジョンをいじる
「なるほどダンジョンの運営は火の車のようですね」
モニタールームに到着するや否やスピアはモニターへと自分の腕から伸ばしたコードを差し込んで情報を収集し始めたようじゃった。
ちなみにこのモニタールームに到着するまでの間にスピアの奴は七度も転けておった。
うち三回はわざとやったのかというくらいに我の首意外に叩き込まれたら即死、または大怪我をしそうな威力の蹴りが放たれていたりする。
避けたら壁が吹き飛んでいた。ダンジョンの壁は壊れないはずなんじゃが……
「ダンジョンの生成が無秩序すぎる。ダンジョンの壁などの生成をランダムに変更して迷いやすく、モンスターの渦がなんでこんなに密集してるの?ばらけさせて……」
スピアがぶつぶつと独り言を言いながらもダンジョンをいじっているらしい。モニターに出ていた警告のメッセージが次々と消えていく。
さすが機械族! 我にはなにしてるかさっぱりわからんが頼りになるのう!
「とりあえずはこれで問題ないかと」
「おー流石じゃの!」
僅か十分位の間に我がダンジョン内の問題が解決した。
「ですがクズもわかっていると思いますがあくまでも一時的に凌いだだけです」
「じゃよねー」
なにせタマに蹂躙されたりしとるにも関わらず、冒険者が我のダンジョンに入ってくる数は変わらん、むしろ増えとる。
タマから逃げた連中が上位ゴブリンを倒したりして魔装を手に入れとるからじゃろうな。しかもたまに大三層まで入り込んでいる奴らまでいるらしいからのう。
魔装が程よくダンジョンから手に入れられているからこのダンジョンの価値はかなり上がっているんじゃろうな。
「何かいい案はないかのう?」
「いくつかありますが、シンプルな案で言えば難易度を上げる事です」
「難易度を上げる?」
「はい、現状での魔装の手に入れ方はモンスターが持っているものを奪うというものです。ですが、現在このダンジョンにいるのはゴブリン系とスケルトンやゾンビという下位のモンスターばかりです」
「確かにのう」
なにせ借金まみれじゃからな。
エコの心でいかんとな! ヘルガが怖い。
「ですので、第一階層、第二階層共に新たなモンスターを入れればいいのです」
「高いのはダメじゃぞ」
ヘルガが怒る!
「ち、クズのくせにみみっちい…… そんなに高いものではありません」
「その小さくいう悪口やめんかのう?」
地味に傷つくんじゃが。
「追加して欲しい物はDPカタログでありましたがゴーレムメーカーです」
「ゴーレム?」
ゴーレムってあれじゃろ?
土塊人形じゃろ? 素材があればいくらでも量産できるやつ。
じゃがあれは弱い。ゴブリンやスケルトンには単体なら勝てるが囲まれると普通に負けるようなモンスターじゃ。
「雑魚じゃろ?」
「はあ、頭の悪いとかげですね。確かにゴーレムは雑魚です」
「じゃからいちいち悪口を…… もういいわ」
もう言っても無駄じゃろう。というか、とかげは酷い。我はドラゴンだもん。
「ゴーレムメーカーは材料を入れてゴーレムを作る機械です」
「そうじゃな」
「そう、材料を入れて作るわけです」
ニヤっという効果音が聞こえてくるようななんか悪い笑みをスピアは浮かべとる。
「その際の材料というのは指定されていませんが、その入れた材料によってゴーレムの質が変化します」
「質の変化?」
質の変化とはどういう意味じゃ? ゴーレムはゴーレムじゃろ?
「はぁ、ここまで言ってもまだわからないとか馬鹿なんですか?」
我が腕を組んで首を傾げているとスピアの奴は明らかに我を馬鹿にしたようにため息を吐きよった。
こいつ、我を敬う気とか全くないの。
もう諦めたわ。
「馬鹿に分かりやすくいうと、入れた素材岩なら岩のゴーレムに、鉄なら鉄のゴーレムになるって事です。だから冒険者達から奪った装備品を材料にすればその装備の素材のゴーレムができるわけです」
「エコじゃのう!」
拾った道具で作れるモンスター。なんて我の懐に優しいモンスターなんじゃ。
「次の段階にはアイアンゴーレムの渦を購入して冒険者側にも利益が出るようにすればこのダンジョンに来る冒険者の数も減りません。あれは不純物のない鉄の塊です。普通に一体倒せれば冒険者にも利益がでます。さらに、私には冒険者を引き寄せる策がまだあります」
「なんと!」
さすが頭の良さのステータスを上げた使い魔じゃ! 頼りになるのう!
「して、その方法は?」
「冒険者にもガチャを引かせれるようにするんです」
スピアはめちゃくちゃ邪悪な笑みを浮かべておった。




