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41.使い魔さんは使い魔で遊ぶ

 

「なんかこんな簡単に儲けていいんじゃろうか?」


 ダンジョンに人が来る理由を知ってからしばらくしてもダンジョンはいつも賑わっておる。


「おかげで今はダンジョンが盛り上がってます」

「いっぱい来とるからのう」


 なにせ入口に行列が出来るくらいじゃしな。

 そんなに魔装が欲しいんじゃろうか?


「魔装があればお手軽に強くなれますし、名も売れます。今の所は第一階層にみんないる状態ですね。たまに第二階層にいく連中がいるくらいです」

「みんなゴブリン大好きじゃな」


 第一階層には置いとるスポットからはいくらでもゴブリンが湧いてくるからな。

 じゃが、唯のゴブリンと侮ってはいかん。

 現在も魔装の使い道がなさそうなのは箱に入れてゴブリン共の集落付近に放っておる。じゃからゴブリン共も無駄に武装が良かったりしておるんじゃよな。たまに全身フル装備のゴブリンとかおるし。なめた連中があっさりやられとった。

 更には落とし穴も至る所に作ったからのう。引っ掛かれば第二階層まで直行じゃ。重装備の奴らなら落下した衝撃で即死じゃからな。軽装備でも足を挫いたらモンスターに集られて死ぬ。

 落下で死ねばDPは入るし、死体は第二階層でアンデット化するから無駄のない設計じゃよな。


「たまに当たりみたいなのもあるからの」

「あの大斧でしょう? キングゴブリンが使ってましたよ」


 ゴブリン共もダンジョン内で戦いまくっておるからか、かなりの数の上位種が生まれとる。そんな奴等が第一階層で幾つものグループを作り、さらには武装までしとるからな。

 唯のゴブリンなら軽くけちらせるような冒険者でも武装したゴブリングループと遭遇したりすると簡単に全滅したりしておるからな。

 意外と全滅させてもDPが大変おいしいんじゃ。

 そしてDPが増えると遊びたくなるものじゃよな! 異世界の漫画で得た知識を使ってな!


「ダンジョン内の冒険者が一定数を超えました」

「うむ、ではタマをリフトアップじゃ!」

「くま!」


 我の声にタマがルンルンと音がなりそうな程に上機嫌な様子でなんか金属の羽根みたいなのが付いたバックパックを背負い盾を持ってリフトへと向かっていく。

 リフトに乗って出撃というのは異世界の漫画でもよくあったからのう! なんか魔導具みたいなのに人が乗っとったし。異世界ではロボットとかいうらしい。

 というかあのバックパック、あれは何じゃ?武器は?


「タマ発進!」

「くま!」


 我の疑問など知らないヘルガが射出口解放ボタンを押すとタマの頭上の天井が次々と解放されていき、鎧を着込んで重いはずのタマが乗ったリフトが上昇を開始する。

 そして第一階層に響く警告音。


『やばい、あれがくるぞ!』

『ダンジョン内に人が入りすぎたんだ!』

『撤収だ!出口に急げ!』


 第一階層では突然鳴り響き出した警告音といきなり開くように穴が開いた床を見て冒険者達が慌てておる。冒険者と対峙しておったゴブリンも慌てたように撤退を開始しておるな。

 そして鳴り響く警告音が止まった時、そこにいるのは完全武装のタマじゃ。


『で、出やがったぞ!』

『ダンジョンの掃除人だ!』

『距離を取れ!』


 冒険者共は完全に狂乱状態じゃな。ここ数日で冒険者の数が尋常じゃない程に増えて目障りじゃからな。一定数の冒険者がダンジョンに入ったらタマの奴を出撃させて数を減らしておるんじゃよな。


『くまぁぁぁぁぁぁ!』


 タマが武器を掲げるようにして咆哮を上げる。それなりの音量にそこに魔力まで込めとるからかダンジョンも震えとるし、モニター室で見ている我の耳も痛い。


「タマやるきじゃのう」

「遊びみたいなものですからね」

「あの羽根みたいなのはなんなんじゃ?」

「魔力を噴射して機動力を上げる強化バックパックです」

「遊んどるのう」


 腐ってもタマはガチャからでた最高レアの魔物。そんな魔物が外付けの魔導具と言っていいのかわからん物で強化かれとるんじゃ、普通の冒険者では勝てんじゃろうしな。


「武器がないようじゃが?」

「バックパックに取り付けてます! 趣味で作った魔導具が!」

「お、おう」


 なんかヘルガの奴の瞳がキラキラしとる!

 こやつも趣味に生きるタイプじゃからのう。

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― 新着の感想 ―
[一言] タマもヘルガも楽しそうですね。
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