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20.勇者さん(仮)消える


「これは予想外の規模のダンジョン災害(ハザード)になったのう」


 ダンジョンアイテムによって喚び出されたユニークモンスター、モンスターを外へと追いやる雷親父によってダンジョン内の大半のモンスターが我のダンジョンから追い立てられるように外に飛び出していった。

 いや大半どころかダンジョン内のモンスターのほとんどが出て行ったようじゃ。


「こ、これはまずいかもしれません」


 珍しくヘルガの奴が焦っておった。

 まあ、そりゃそうなるじゃろな。

 普通のダンジョン災害(ハザード)というのはダンジョンにいるモンスターが誰にも駆除される事なく大量繁殖したりして増える事で食糧が確保できなくなったりしてあぶれたモンスターが徐々に外に姿を現すという現象の事をいう。そう、あぶれたモンスターが、じゃ。

 それが今回のダンジョン災害(ハザード)はというと徐々にという段階を通り越していきなり大量のモンスターが一気に外に出て行ってしまったわけじゃからな。

 数の暴力を持ってすれば下手をすれば嫌がらせを行う勇者だけではなく周りの村、さらには街まで潰れてもおかしくない。


「まあ、周りの掃除を兼ねていいんじゃないのか?」

「そんな掃除扱いなんて……」


 まあ、勇者族とかいうバグみたいな存在であるヘルガじゃが姿は人間じゃからな。親近感? みたいなのがわくんじゃろ。

 我は人化しとるだけでドラゴンなわけじゃし?

 人間なんてドラゴンである我からしてみれば小さな存在じゃからな。

 吹けば飛ぶような存在ではあるが百年くらいしたらいつの間にか増えておるし。

 じゃが、我の集めとるフィギアとかは異世界とはいえ人の手で作られとるわけじゃしなぁ。

 今から掃除で吹き飛ばされる中にそんなフィギアの作り手になるのがいるかもしれんわけか。

 うーむ、悩ましい。


「とりあえずは討伐隊が送られん程度の被害に抑えとくのが無難じゃな」

「……そうですね。って勇者達とモンスター達が接敵するみたいです」


 ヘルガの奴が指差すモニターへと眼をやると追い立てられて興奮状態にあるモンスター達が波と言っても過言ではない量でまさに勇者(仮)を飲み込もうとしているところじゃった。

 モニターに映る勇者(仮)の一行は見た限りでは勇者、戦士、僧侶、魔法使い、四人じゃった。地味にバランスはいいのう。

 じゃが、我的には盗賊を入れておらんのが残念じゃな。

 ダンジョンや野外戦で敵の位置や罠の有無を調べるのに盗賊は必要不可欠じゃろうに。

 なにより罠を調べずに突っ込んであっさり罠に掛かって死ぬなんて奴らもいるらしいしな。

 そんな割とバランスが良い勇者(仮)達じゃが地響きを上げながら突撃していったモンスター達にまるで抵抗など出来ずにあっさりと飲み込まれ、あっさりとモニターから姿を消した。

 あ、DPが増えたから死んだみたいじゃな。


「死んだな」

「雑魚すぎませんか⁉︎」


 我の淡々とした事実を述べる言葉にヘルガは驚愕の声を上げるのじゃった。

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― 新着の感想 ―
[一言] あっさりしたもんですね。
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