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第十章 『種明かし』



 メガネと南が中に入ると、そこには蘭、五月、CAT、そしてライカが居た。

「アイちゃん!」

 ライカは叫ぶとメガネに抱きついてくる。

「ライカさん! ホンモノ……だよね?」

「本物だよぉぉおお! よかったアイちゃん! 無事で!」

「南さん!」

 蘭と五月が南の下へ駆け寄る。

「無事で何よりです!」

「ああ! 蘭! 五月も無事でよかった!」

 南は二人に笑顔を見せると、CATに目をやる。

「CAT!」

 CATは南に微笑むと、手に持つメモリチップを見て言う。

「ようやく戻ったか南! それがデータか?」

「ええ! やっと『ドア』の向こう側のチップが手に入ったわ!」

 CATは南からメモリチップを受け取る。

「これか……俺の第一号の収集したデータ……」


「森田くん! 聞こえる!?」

 メガネは森田に呼びかける。

≪はい! メガネさん! 聞こえていますよ! よく無事に帰ってきました!≫

 いつもの森田の声。 メガネはようやく元の世界に戻れたのだと安堵する。

「森田くん! さっきまでの映像、あの荒野の戦場の映像は撮れてた!?」

≪生憎ですが、さっきまで何も映っていませんでした。 正直僕もそろそろヤバいかなと思って心配してたんですよ! 編集長からも電話がかかってくるし、マジで通報しようかと思ってました!≫

「そうか……で、視聴者数は?」

≪聞いて驚いてくださいよぉ? 百万人突破です!≫

 メガネは心臓が飛び出るほど驚く。

「ひゃ、百万人!?」

≪今メガネさんの配信は各SNSでトレンド入りしてます! やりましたね!≫

 メガネはその場で小躍りをしたい衝動に駆られたが、まだまだ、ここからだ。

「キャット! これで満足? 研究員三人は無事救出した! これで私たちも晴れて自由の身ってやつでしょ!」

「ああ。 よくやってくれたメガネ、そしてライカ。 これで俺たちの目的は達成できた」

 CATはそう言うと、手に持っていたメモリチップを頭のこめかみにある小さい穴に差す。

 

すると――どういうわけかs〇h×n△s2hαbωd□caEo〇iβsk

 


 ――さて、どうでしたでしょうか皆さん?

 この〝物語〟は楽しめましたか?

 言うまでもなく、このお話は〝創作〟です。

 現実にはこんなことは起きていません。 これはお話なんです。

 今回のこの騒動はすべて女鐘愛の企画した〝オカルト体験型バラエティ〟。

 全ては妖解出版月刊ミステラが企画したものなんです。


 山の中に洋館なんてありませんし、実際は都内のスタジオ。

登場するキャラクタも女鐘以外はすべてがリアルタイム3Dにより生成された作り物。

蘭や五月、南なんて研究員も存在しませんし、CATなんてアンドロイドも実在しません。

だっておかしいでしょ? ショタな研究員やアネキな研究員なんて現実には居ませんし、声が渋くてアニメチックなアンドロイドなんてアンバランス過ぎるじゃないですか?

敢えてフィクションであるというアピールをしていましたが、まさか信じてはいませんよね?

まあ、それは実際分かっていたと思います。

興覚めでしたでしょうか? でも許してください。

森田さんのチャンネル登録者数が百万人を超えたため、異例の終了となりました。

というのも、これだけ多くの方が視聴するとなると、信じてしまう方も中にはいらっしゃいます。

そうなってくると実際に問い合わせが殺到して関係機関に迷惑をかけたりしてしまいますので、ここで〝種明かし〟とさせていただきました。

配信はここで終了です。

皆さんここまで見てくださってありがとうございました。

夏の納涼企画いかがでしたか? これからも月刊ミステラの応援よろしくお願いします。




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