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fly me to the moonにのせて

作者: 檸檬

熱ざえてうなされている夜


幼い私は母を待つ


母が持ってくるあの缶詰


ガラスの器に入った


まん丸の桃と散りばめられた蜜柑


熱砂漠の夜には甘酸っぱいこの味が

目の奥までしみわたる


私の手を取り額をなぞる母の手


熱にうなされ目の前の物体が歪んで行く

奇界を放浪していた私を導いてくれたぬくもり


あの手のぬくもりを

あのひと時を待ち焦がれていた


すっかり大人になった今も私は

あなたに熱ざえうなされている


眠りに落ちるその前に

あなたの愛してるを待っている

手を取りキスを

そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを

待ち焦がれている


私を月へ連れて行って

月の光に照らされて

私の肌は青白く輝き

星々を宝石として、

きっと噓みたいに綺麗でしょう


その魔法がかった光に陶酔して

あなたに行かないでそばにいてと

ハラハラと涙なんかを流したり

なんかしちゃったりして

儚い女性を演じてみたい


夢の夢の月の世界へ


眠りに落ちるその前に

あなたの愛してるを待っている

手を取りキスを

そして変わらぬ真っ直ぐなまなざしを

待ち焦がれている














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― 新着の感想 ―
[良い点] 幼い頃の思い出と今の心情とが重なり合っていて、前半の熱や甘酸っぱさ、ぬくもりが、後半の気持ちとも繋がるように描かれているところが印象的です。 月の光の美しさ、そこに照らし出される夢の世界、…
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