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はんてんゆうちゃ幼稚園  作者: 翔丸
1/4

『プロローグ』『転入生一人目』『二人目』

本編と関係ありません。

なので、キャラの性格を多少変えたりしています。

あくまでも外伝です。

 はんてんゆうちゃ幼稚園。

 そこにはたくさんの子ども達が今日も伸び伸びと過ごしています。

 

「やめて……やめてくだしゃい」


 幼稚園の建物の裏で、長い後ろ髪の先が紫かかった銀髪の気弱そうな女の子が目尻に涙を浮かべて自分を囲む三人の子どもに訴えています。

 でも、オレンジ髪の男の子、耳の尖った女の子に耳がヒレの女の子の三人は小石を投げたり、足で砂を掛ける事を止めません。


「なんで?僕たちはおまえが一人でいるからかまって上げてるだけなんだよ」

「そうよ。ありがとうって言ってほしいわ!」

「そうだよぉ。ありがとうはぁ、仲良くなるきほん?なんだよぉ」


 オレンジ髪の男の子の言葉に、取り巻きの女の子二人が便乗して銀髪の女の子に屁理屈のような反論を述べました。

 銀髪の女の子は頭を守るようにして地面に丸まりプルプル震えており、ぐすん、と泣いているのか小さくすすっています。


「せんせー。こんな所でイジメてる子たちがいるから早くきてくれ」


 何処からか声が聞こえてきました。

 その声を聞いた途端、三人はとてとて走って幼稚園の表に逃げていきました。


「もういったぞ」


 先程聞いた男の子のような声をまた聞いた銀髪の女の子は顔を上げてキョロ、キョロと探します。

 でも、声の主はどこにもいません。


「ここ、前むいて顔をあげてみろ」


 言葉に従って女の子は正面を向いて顔を上げました。


 すると、花壇の草花で顔の下半分が隠れていますが、柵の向こうに一人の男の子がひょこっと顔を覗かせていました。


「あにょ……そにょ……」


 何か言いたいことがあるのか銀髪の女の子は立ち上がるとびくびくしながら言葉を濁らします。


「ありがとう、ございます」


 勇気を振り絞るように、ぎゅっと小さな手で拳を作った銀髪の女の子は頭を下げて感謝の言葉を言いました。

 しかし、男の子から言葉が返ってきません。

 頭を上げてみると、男の子の姿はありませんでした。


「ごめん、手がつかれて柵おりたから聞いてなかった」

「え…そんな」



―――――――――――――


「今日からみんなとここで過ごす新しいお友達を紹介しますわ。じゃあ自己紹介をお願いできます?」


 笑顔で明るく元気な声で青い髪の女性は自分の前に立っている男の子と女の子は順番に自己紹介をした。


 男の子の名前はソリトくん。

 何処か不機嫌そうな仏頂面で、一言よろしくと言いました。


「終わりですの?何か他に」

「うるしゃい」

「はう」


 ソリトくんの言葉に青い髪の女性先生は頬を赤く染めて軽く仰け反りました。

 天井を見上げる姿勢のまま顔を恍惚な笑みを浮かべていました。


 しかし、顔を正面に戻すとニコニコと優しい笑顔に戻っていたので、みんなその事を知りません。



――――――――――――――



「こほん。では気を取り直して。ファルちゃんお願いしますわ」


 青い髪の女性先生に〝ファルちゃん〟と呼ばれた女の子は、はい、と一言言って半歩前に出ました。


「ファルです。よろしくしてやってください」

「何故自分の事を他人事の様に言いますの!?」

「ソリトと一緒によろしくしてやってください」

「変わったような変わってないような」


 何処か掴めないファルちゃんの自己紹介も無事終わりました。

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