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小品

常闇に潜む小さな花

作者: 星野☆明美

受験勉強中だった。

家中寝静まっているのに、自分のいる部屋の勉強机の明かりだけもの寂しく光っている。音を立てると暗闇が吸い込んでいくようだ。

カリカリ……。

シャープペンで大学ノートに何度も重要な単語を書き連ねていく。

かたん。

ビクッとして振り向く。誰もいない。

背中を恐怖が這い上る。

音。

木を隠すには森。

イヤホンつけて大音響で音楽を聞く。

ここで眠っちゃうのは、なし。

コーヒーやコーラを常備している。でもカフェインはちっとも効きやしない。

眠りかぶり、浅い夢を見る。

昼間の雑踏、喧騒。太陽の光。

はっとして、現実に帰る。どこまでも深い夜の闇。

本棚に「月は無慈悲な夜の女王」のタイトル。

果たして朝はやってくるのだろうか?

牡丹灯籠の怪談を思い出す。

朝を待ちわびて、一番鶏の声を聞いて戸を開けると、闇。

その絶望。常闇に潜む小さな花。やがて開花する。

いろんな怖い話が頭を悩ます。

音楽、音楽!紛らわせよ!

書いて、書いて、書いて!

夜が明けるまであと何時間あるの?

そして、これをクリアできたら、受験に勝てるの?

自分との闘い。

狂おしい闘い。

起きているだけで精神力が削がれる。

若いときにしかできないことだよ。

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