帰り道は、波乱の予感 (デレからのツン)
今日は、金曜日。
明日が休みとはいえ、一週間の最後であるので体が重く感じる。
それに、朝起きたら恋花が俺の胸元で寝ていてびっくりした。やっぱり心臓に悪い。
恋花が寝ている間に手を繋いだ事は、バレていなかったみたいで安心した。
そんな事で恋花と一緒に家を出て学校へ向かっている。
「創太!見て見て!桜が綺麗だよ‼︎‼︎」
「分かってるよ。たく、昨日も見ただろう。」
「まー、そうだけど、やっぱり綺麗な物は何回見ても綺麗だからさ‼︎」
恋花は、楽しそうに俺の横を歩いている。
それにしても何だか恋花のテンションが高い様な気がする。気のせいだろうか?
桜を眺めながら少しずつ学校に近づいて行く。
ふと、恋花の頭に桜の花びらが付いてる事に気づく。
「恋花!髪に桜の花びらが付いてるぞ!」
桜の花びらを取ろうとした時。彼女にその手を優しくはたかれる。
「花びらの指摘ありがとうございます。ですが、気安く女性の髪に触れ合うなんて思わないで下さい。」
「あっ.....すみません。」
いつの間にか人目の多い所に来ていたので、『デレモード』から『ツンモード』に変わっていたらしい。
『ツンモード』になった恋花は、俺を置いてスタスタと学校に行ってしまった。
いつもの事だったので、別に気にしなかったが恋花が行ってから数分経ってスマホにメッセージが来た。
誰かとお前ば先に行った恋花からだった。
『帰りは、一緒に帰ろうね‼︎(*´꒳`*) 』
何かと思えば帰りの予約だった。わざわざスマホで知らせてくれるなんて....
(それにしても、スマホなら『デレモード』なんだな。)
俺は恋花に返信をした。
『了解です。』
俺は他の高校を知らないので、比べられず特別か分からないが内の高校は、家庭訪問がある。
家庭訪問は、新入生だけで俺らには関係ない事だが、新入生の家庭訪問期間の終わった後テストがあるので、
新入生は、家庭訪問で
2年生と3年生は、テスト勉強期間だけ部活がなくなり早く帰る事ができる。
なので、一緒に帰るのも時間を気にしなくて帰れるので俺は、何の抵抗もなくOKした。
〜放課後〜
靴箱を出て近くに居た恋花に声を掛ける。
「恋花!悪い待たせて。」
「別に.....早く行くわよ」
相変わらずの『ツンモード』
恋花と歩きながら学校の門を出た所で声を掛けられる。
「あ、あの‼︎」
「え?あっ、君は昨日の帰りの....」
「は、はい!新沢 氷と申します‼︎昨日は、すみません。その....あんな事聞いちゃって!」
「い、いや、別に大丈夫だよ。俺こそ昨日突然恋花と走って帰ってゴメンね!ほら、恋花も謝って」
「う、仕方ないわね。まぁ、話してる途中で急に走って帰っちゃったのは、悪いと思ってるわ。ごめんなさい。」
「い、いえ!元を言えば私が、あんな事を聞いたのが悪いので!」
「えー、今日は、どうしたの?」
昨日の事といい俺と恋花に何か気になる事でもあるのだろうか?
「今日は、そ、そそそ秋瀬先輩に‼︎その、お話がありまして」
「え?俺に?」
「はい‼︎」
彼女は、顔をリンゴと同じぐらいにまで赤くして、もじもじとしながら周りに大勢の人が居る中大きな声で、俺に言った。
「秋瀬先輩!私と今週の土曜日にデートをしてくれませんか‼︎」




