おっさんが同窓会に行かなかった理由
初投稿です。
実際に書いてみて思ったけど小説は難しい。
「ゲームとでも結婚してろ、ボケッ!!」
24歳の時、彼女とのデートをすっぽかし格闘ゲームの
2ON2大会に出場した翌日、朝イチで(当時住んでいた)自
分のアパートに怒鳴り込んできた彼女が彼女のアパートに置い
てあった自分の荷物と共に投げつけてきた言葉。
彼女に殴られ真っ赤になった左頬に手を添えつつ
「確かになぁ今の自分の気持ちはゲーム第一だし彼女、結婚、
人付き合いより、やっぱゲームだよなぁ」
ゲームと心中する覚悟を決めた自分は両親の「もうそろそろ
孫の顔が見たいね」という呟きもなんのその、ゲームゲームに
明け暮れて格闘ゲーム、連○VSジ○ン、ラ○ナ○ク○ンライン
D○Dオン○イン、ガ○ダム○ンラインF○14と廃人街道ま
っしぐら。
気がつけば御年50で未婚のフリーター。
そして、そんな自分の手にある中学校同窓会開催を知らせる
一枚の往復はがき。
「同窓会といっても今の自分の近況じゃ罰ゲームでしょ」
「参加しても影でクスクス笑われるだけだろうし、そもそも
中学校の事なんか卒業してから今の今まで思い返す事もなか
ったよ」
「う〜ん、学校の行き帰りは誰と一緒だったっけ?」
「友達の顔は何人かうかぶけど、どんな事をやったとか
全然思い出せん」
しまいには中学校の卒業アルバムをなんとか引っ張り出し
眺める事、数分......そして。
「そうそう思いだした!!とりあえず4人ほど思い出した」
戸田由美子 編
戸田さんと話すきっかけとなったのは中学2年2学期の
席替えで隣同士になった事でした。
彼女は当時放送されていたアニメ重戦機エ○ガイムに出
てきたオ○ドナ・ボ○イダル似の美少女。(もちろん影武
者の方で髪も肩までしかなかったけど)
小学校の頃の自分は女子と話すのは恥ずかしい事という
感覚があり中学2年になっても、その感覚は引きずってい
ましたが、どうしても彼女と友達になりたいという気持ち
が抑えられず話しかける事に。
だけど今まで女子と会話した事がなくてどんな話をしていい
か分からず、どうしたものかと悩んだりしたけど、とりあえず
自分はバカ、彼女は頭が良かったので授業中にわからない事が
あれば彼女に質問する事にし、もちろん毎回分からない所を聞
いていたらウザがられると思ったので頻度は週1〜2回程度と
決定。
そんなこんなでやっていくうちに彼女の方からも話かけてく
るようになり
「ねぇ、ここの問題わかる?」
「なるほど......教えてくれてありがとう」
でも自分は知っていたけど黙ってた、彼女がこの程度の問題
を解けないはずがない事を......
結局、彼女とは3年になった時に別々のクラスになってしま
い廊下ですれ違ったりしたら、お互いに手を振りあったり雑談
などしたけれど中学校卒業後、高校が別々になり縁は完全に切
れたのでした。
柄本香 編
自分が戸田さんと仲良くなると彼女の友達である同じクラス
の柄本さんともいつの間にか話すようになったけど中学2年の
時は彼女とどんな話をしたかは思い出せないかな。
見た目はちょっとヤンキー入った浅香唯って感じでした。
3年になっても彼女とは同じクラスになり戸田さんと同じ女
子バレー部だった事もあって自分と戸田さんをつなぐメッセン
ジャーみたいな事をやってもらってました。
そして彼女の事で真っ先に思い出すのは中学3年のある一時
期あまりにも怒りっぽかった自分に対して腹をたてた彼女が同
じ学年の不良に自分をシメるように差し向けてきた事です。
幸いにして、その事を自分にチクってくる人もいたりその不
良も小学校時代の友達だったりして事なきを得ましたが結局自
分が全部悪いので彼女にはこの件に関しては何も言わなかった
です。
そんな事があったけど彼女とは中学校を卒業するまで後述
する白河さんと共にバカ話をして笑いあっていた曖昧な記憶
があります。
白河恵美 編
白河さんは3年になって初めて知り合った人でしたが戸田さ
ん、柄本さんの友達で事前に自分が戸田さんの事を好きなのを
また戸田さんが自分の事を好き(頼む、そうであってくれw)
なのを知っていたようで最初からかなり好意的に接してくれま
した。
また席替えが1学期中旬、2学期始め、3学期始めとあった
にも関わらず一年通してずっと隣同士の席だった為、中学校生
活に於いて男女問わず一番おしゃべりをした人だと思います。
そういう彼女は一見、淑女然とした美人さんでしたが中身は
まーーーじで男子小学生で見た目とのギャップが激しかった人
でした。
戸田さん、柄本さんはエロ、下品な話はNGでしたが白河さ
んはエロ以外はオールOK。
定番はう○こネタで毎朝挨拶代わりに彼女の快便報告を聞い
ていた記憶があります。
そんな彼女の行動で驚かされたのは授業中にいきなり同じク
ラスのA君の写真を見せつけられ10分程、いかにA君が好き
なのか惚気を聞かされた事でした。
後から振り返れば色々ツッコミどころのある出来事で特にな
ぜ男の自分にそんな話をしたのかなと思いましたが本人に直接
確認するのは、なんか無粋な感じがして聞く事はしませんでし
た。
そして同じクラスに久松恵子さんという人も居て彼女、実は
自分の初恋の相手で小学校6年間ずっと同じクラスだったにも
関わらず一度も話した事がなかったのですが白河さんの友達だ
った為、彼女を介して雑談をするように。
女子と話すのは恥ずかしいと思っていた自分が戸田さんと知
り合ってから柄本さん→白河さん→久松さんと話すようになっ
て、ホント芋蔓式でした......
「随分前の事だから、かなり記憶が薄れちゃってるけど改めて
振り返ると結構いい感じの思い出になってるよなぁ」
「同窓会に参加すれば、この思い出の続きを知る事が出来るけ
ど......明るい話が聞けたらいいが暗い話を聞いて、この思い出
が壊れるのは嫌だなぁ」
「う〜ん」
「そう、この思い出の......」
「この思い出の続きを知る必要はあるか?」
「いや、これはこれで楽しい思い出で別にリスクを犯してまで
知る必要ないだろな」
「よしっ!!」
自身を納得させるだけの同窓会を欠席する理由を見つけると
案内状の不参加にマークをいれて、すぐさまママチャリで郵便
局に行くとそれをポストに投函した。