第7話
今日も流翠は楠見、亀田、別所と共に14時〜22時の間を巡回している。
「なんかちょっと前までは頻繁に出てきたのに最近は少ないねー」
「いい事じゃないですか?数が減っていると思えば」
そんな会話をしていると魔人の反応が見つかり流翠達は示された場所へと向かう。
そこに向かうと魔人が今にも人間を襲う所で亀田が遠距離の攻撃を行い魔人がこちらに反応した隙に流翠は襲われそうだった人物を抱え安全な距離まで離した。
改めて魔人の姿を確認すると魔人の身長は3メートルほどあり右腕には手の甲から肘にかけて刃が繋がっており刃の長さは約1メートル程の長さだった。
「たまに現れる素材持ちの魔人だねー」
楠見が言った素材とは魔人が姿を変えた時の身体以外に今回の魔人で言う刃のような物の事をいい素材を手に入れれば半魔人にとっての武器になる物だ。
「どうするりゅうくん?危険だけど」
魔人は心臓を破壊する事で討伐出来るがその時に身体は塵となり消えてしまうが心臓を破壊する前に身体の一部を切断すると魔人が消滅した後でも切断された部分は残る。
しかしこれを行うには危険が伴い理由としては魔人の身体はとても硬く心臓以外の場所は簡単には傷すら付けられないからだ。
だが心臓よりは硬いが関節部分は身体の硬さよりは少しましで素材を獲得するには半魔人はみんな関節を狙う。
「素材が手に入れば今後の戦いに役立つのでここは手に入れましょう」
流翠は右手を変化させ鋭い爪を伸ばし素早い動きで魔人との距離を詰め右肩に攻撃を仕掛けるが傷を付ける事は出来たが切断するまでには至らなかった。
「亀田はそのまま遠距離攻撃!俺と楠見で魔人の注意を引き付ける!比良濱はそのまま攻撃を続けろ!」
「おっ!まっさんカッコイイ!」
「だからその呼び方やめろ!」
亀田の遠距離攻撃を魔人は左腕で防ぎ右腕の攻撃を楠見が受け止めたまに来る脚の攻撃を別所が受け止めて流翠は攻撃に集中する。
そして遂に流翠は魔人の右腕を切り落とす事に成功しそのまま魔人の心臓を貫き魔人は消滅した。
「ふぅなんとかなったけど命の危険を感じたねぇ」
「もうやりたくないな」
「そうですね」
普段は心臓を破壊するだけだったが今回は違った為戦いは長引き流翠達は少し命の危険を感じたのだった。
「んでこれどうしたらいいんですか?」
「支局に連絡したら車で取りに来てくれるよ!」
流翠の疑問に楠見が答え流翠は支局に連絡を入れてその場で待機していると支局の人がその場に到着し、魔人の腕を車に積みこの場を去った。
そして翌日に流翠の元へと連絡が入り千代田区支局に出向いて欲しいと告げられたので流翠は千代田区支局へと向かった。
千代田区支局に着いた流翠は案内人に着いて行き部屋へと連れられ部屋へと入った。
「君が比良濱流翠君ですね。私は千代田区支局長の滝澤勇です。今日はご足労ありがとうございます」
千代田区支局長の滝澤が挨拶をし流翠も名前を名乗り軽く挨拶をし椅子に着席した。
今回の要件は昨日の魔人の素材を入手した功績を称え素材を使って流翠の武器を作ると言う話しで流翠も今は右手しか魔人への有効な攻撃手段を持っていない事と流翠は利き手が左であり利き手でも攻撃出来るようになれればと思っており武器を作ってもらう事とした。
「どんな武器がいい?」
「では…」
それから一ヶ月が経ち流翠の元に武器が届いた。
「凄くカッコイイじゃん!さすが私のりゅうくん♪」
「あんたのものじゃないです」
「比良濱さんの戦い方にぴったりの武器ですね!」
「まぁな」
「比良濱…お前…分かってるじゃないか!」
「やっぱ日本で生まれた男としてこれは男の浪漫ですよ」
流翠が選んだ武器は日本人の男性なら誰もが持ちたいと思うであろう"刀"だった。