第3話
翌日流翠の元に楠見から連絡が入り10時頃にこちらに着くと連絡があった。
そして昼頃に楠見と同じく半魔人である亀田栞が流翠の家に訪れた。
「りゅうくーんお邪魔するよー♪」
楠見は流翠に抱きつこうとしたが流翠はそれを躱し躱された楠見は床へと叩きつけられる形となった。
「比良濱先輩お邪魔します」
「なんで亀田もいんの?」
「それはねー咲夜華ちゃんのサイズを聞いたらちょうどしおりんと一緒くらいだなーって!だから朝連絡して服を貰いに行ったの!そしてなんならしおりんも来ちゃえーって♪」
流翠は「なるほど」と言うも楠見のテンションにはついていけず頭を抱えていた。
すると流翠の後ろから咲夜華が姿を見せ楠見と亀田に「初めまして」と挨拶をした。
咲夜華の姿を見た楠見は目を輝かせた事に気付いた流翠は楠見を動けなく押さえ込もうとしたが楠見が動き出す方が一瞬早く流翠は自分より後ろに楠見が行く事を許してしまった。
流翠をかいくぐった楠見は咲夜華に抱きつき咲夜華の顔に自分の顔を密着させていた。
ふと我に戻った楠見は咲夜華に挨拶をし楠見に続くように亀田も挨拶を交わした。
すると流翠が「んじゃあとは頼んだ。俺はちょっと用事がある」と言い残し部屋から出ていった。
楠見はちょっと不貞腐れたようだったが流翠の部屋に残った三人はリビングへと向かった。
「ん?なんかすごく美味しそうなカレーの匂いがする!」
「はい。比良濱さんがみんなでとの事で作っていました!」
三人で流翠が作ったカレー食べた後亀田が持っていた袋を咲夜華に渡した。
「私のお古になっちゃいますけど良ければ」
その中には服が入っており咲夜華は亀田に感謝をした後楠見も袋を咲夜華に渡した。
「さすがに下着は新品じゃないとね♪だからこれ買ってきた!」
そう言い袋を受け取った咲夜華はお金の事を心配したが楠見は「気にしないで♪」と咲夜華に伝えた。
その後三人は他愛ない話しをして盛り上がっていた。
ちなみに楠見の年齢は22歳で今年23歳になる年で亀田の年齢は16歳で現在高校二年生だ。
時間は経ち時刻は13時過ぎを示していた頃に流翠が部屋へと帰宅した。
「りゅうくんどこ行ってたの?」
「買い物だよ。あと荷物あるからちょっと手伝ってくれ。その前にこれを相馬に」
そう言い流翠は咲夜華に袋を渡し咲夜華は袋の中身を確認すると携帯が入っていた。
「連絡取れる方が色々便利だろ?んじゃとりあえず下に来てくれ」
荷物は全てこれから咲夜華の部屋になる場所へと移した。
その荷物は咲夜華の寝具だった。
「この後は仕事だから組み立てるのは今日の夜か明日だな」
そう言った流翠に咲夜華は首を傾げる。
「これから私達は街をパトロールするの♪」
「魔人が出た時に退治するのが私達半魔人の仕事なんです」
「そう言う事だから」
と三人は咲夜華に説明した。
咲夜華は聞いていいものか迷ったが仕事に関して詳しく聞くと楠見は優しく微笑んで説明してくれた。
まず三人が所属している場所はDHE機関千代田区支局で半魔人は一日8時間街を巡回する事となっている。
そしてこれはどこの支局でも共通だが6時〜14時の組、14時〜22時の組、22時〜6時の組と3組に各支局で分かれ巡回する。
三人は今日は14時〜22時の時間に巡回するように伝えられている。
さらに魔人を見つける方法だが半魔人には時計に似た形をした物が一人一人に配られておりその機械には自分から半径1キロメートルにいる魔人を察知する事が出来るらしい。
あとは察知された場所へとおもむき魔人を見つけるのだが魔人、半魔人は特別な目を持っており魔人、半魔人は一人の人物を見るだけでその人物が魔人、半魔人、人間と見分ける事が出来るそうだ。
「まあこんなもんかな?では私達は行くでありますよー!また会いに来るね咲夜華ちゃん♪」
「私もまた来ますね!」
「また夜な」
「ちょっとりゅうくん!その言葉は誤解を生むよ!」
「ちょっと何を言ってるのか分からない」
「二人とも喧嘩はやめてください!行きますよ!」
そうして三人は部屋を後にした。
その数分後流翠から渡された携帯が鳴り咲夜華は携帯を確認すると連絡をして来たのは楠見と亀田でお互い違う文脈だったものの最後は二人共"これからもよろしく"と綴ってあった。
二人に返信の文を作成していた最中にまた携帯に通知が入るが咲夜華は先に二人に返信する事を優先した。
返信が終わり通知を見てみると流翠からだった。
内容は"俺が一緒にいない間に何かあった時、欲しい物とか食べたい物とかあった時、他にもあればすぐ連絡して来い。遠慮すんなよ"と綴られていた。
咲夜華は"ありがとうございます"と返信し昨日流翠に与えられた仕事を開始した。