第2話
咲夜華を助けた青年はどこかに連絡取っている。
「勤務外討伐した。残業代よろしく」
そう言い青年は連絡を切った。
そして青年は咲夜華の元へと近付き「怪我は無いか?」と問い咲夜華は「大丈夫です」と応え青年は時間も23時を回っている事を咲夜華に伝え早く家に帰ることを伝えてこの場を去ろうとするが咲夜華はこの場から動く事は無く青年は不思議に思った。
青年はもちろん咲夜華の事情など知るはずが無く不思議に思いながらも何か事情があるかもと思い再び咲夜華の側へと駆け寄る。
咲夜華は青年に今の現状を伝えた。
「そうか」
青年はそう言うとまた歩を進めたが咲夜華はまたこの場から動く事は無かった事を見て青年はこう言った。
「何してんだ?行く宛て無いんだったらついてこい」
咲夜華は不思議に思いながらも青年についていきそれからしばらく経ったあととあるマンションの入り口の前まで着いた。
マンションのセキュリティキーを通し入り口のドアが開きそのままエレベーターに乗り6階で止まったエレベーターを降り青年はマンションの一室の前に止まり鍵を通し部屋への扉を開け部屋の中へと入っていく。
咲夜華は扉を超える事は無くマンションの廊下で立っておりそれを見た青年はこう言う。
「ここは俺の部屋だ。いつまでかは分からないがしばらくはここに住めばいい」
青年はそう言い咲夜華に手を伸ばし咲夜華は青年の手を握り青年の部屋に入っていった。
咲夜華はそのまま青年に連れられリビングまで移動し青年に「好きな所に座っとけ」と言われたのでカーペットを敷いている場所で正座をして座った。
青年はキッチンへと向かい調理を始めた。
「お前も食うか?」
咲夜華は遠慮しようと思い断ろうとしたが絶妙なタイミングでお腹の虫が鳴いてしまい咲夜華は恥じらいながら頂くことにした。
青年は手際良く調理し料理をテーブルの上へと並べ「遠慮すんなよ」と言い咲夜華にも料理を食べるように促した。
咲夜華は食事を摂っていると次第に咲夜華の目には涙が零れ落ちていた。
青年は少し慌てたが咲夜華が「大丈夫です」と言い青年は落ち着き食事を再開した。
食事を終え青年は咲夜華に先ほど涙を流した理由を聞き咲夜華は答えた。
咲夜華の母親は咲夜華が産まれる前から夜の仕事をしており咲夜華が小学生になった頃には毎日一人で家で母親が買ってきたお弁当を食べていた。
だが今回は一人では無く青年と一緒にそしてお弁当では無く調理されてすぐ提供されたご飯を食べた事が嬉しくて自然と涙が流れたと説明した。
「そう言えばお前の服やらなんやら色々揃えないとな。明日出掛けるぞ」
青年はそう言うが咲夜華は下を向いてしまう。
今のは遠慮するのでは無くもし外に出て母親に遭遇したらと考えると外に出るのは嫌な気持ちになったと青年に伝えると青年は納得し誰かに連絡を取った。
「楠見さん少し頼み事が有ります」
「楠見さんじゃなくて風香姉ちゃんでしょ!」
「死んでも言いませんよ」
楠見風香は青年の先輩にあたる人物で歳は22歳。
青年は楠見に咲夜華の事を話し、着なくなった服などが余っていたら欲しいと頼んでいた。
「じゃあ咲夜華ちゃん?の身長とか色々なサイズを教えて」
「分かった。お前のサイズ知りたいだって教えて」
そう言われた咲夜華は青年に言葉を発せようとしたが青年の携帯から怒号が聞こえてきた。
「あんたバカか!なにしれっと女の子のあれこれを聞こうとしてんのよ!咲夜華ちゃんに代わって!あんたは電話終わるまでどっか行け!」
怒られた青年は何に怒っているのか分からないといった表情をして携帯を咲夜華に渡し「電話終わったら呼んで」と言い自室であろう部屋に入っていった。
「OK!んじゃ多分明日持って行くから♪その時に色々話そうね♪」
楠見はそう言い咲夜華が返事をした所で電話を切り咲夜華は青年の自室の扉をノックした。
二人でリビングに座っていると咲夜華は青年に対して自己紹介をした。
「あの申し遅れました相馬咲夜華と言います。歳は15歳です。よろしくお願いします」
「俺は比良濱流翠だ。歳は18。よろしく」
そして咲夜華はどうしても気になっていた事を流翠に問いかけてみた。
「比良濱さんはえっとその…半魔人なのですか?」
「そうだよ。ちなみにさっきの人もな」
流翠がそう言うと咲夜華は他に話す事が見つからず静まってしまうが流翠が立ち上がると流翠は咲夜華に手招きをし移動した。
移動した先には何も置かれていない部屋があり流翠は「今日からここがおま…相馬の部屋な」と告げ咲夜華の表情はとても喜んでいる表情になった。
「でも私ここに住むにしても迷惑では無いですか?」
「そんな事ないよ。もし後ろめたさを感じるなら家事をしてくれ。飯は作るから掃除と洗濯とかだな。バイト代もやる」
咲夜華はバイト代を頂くことには遠慮したいと思ったが流翠の部屋に居れる理由を与えたくれた事に感謝した。
「とりあえず今日はもう寝よう。明日あの人も来るって言うし。今日はソファーで寝な」
そう言い流翠は自室へと向かったが咲夜華は改めて流翠への感謝伝え「おやすみなさい」と告げた。