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回復魔力-9999の白魔道士  作者: 勇者になった社畜
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第二話

暑すぎて溶けちゃいそうです(´;ω;`)

皆さんは大丈夫ですか?

  師匠の家があるマゴ山を下り、歩く数時間。

  次第に木々の高さが高くなり、枝葉により暗くなっていく。

  気づけば、あたりは真昼だというのに夕べのように暗くなっていた。

  昼でも夜の様に暗い森……、だから常闇の森なのだ。

  だが、僕は修行のおかけで夜目がきくから問題ない。

  

  ふと真上を見上げると木の葉の隙間から太陽の光がかすかに見える。

  

 「そろそろお昼にしなきゃね!」


  僕は背負っていたリック状のマジックボックスを地面に下ろして口を開く。

 この中は異次元空間となっており、収納したものは時間が止まった状態で保存されるスグレモノ。

 だから、食物も劣化しない。


 僕はマジックボックスに右手を入れ゛パン゛と念じる。

 すると僕の手にはいつの間にかパンが握られていた。


 「何回も使っているけど、やっぱりこれはすごいな!」


  師匠が、冒険していた頃に使っていたものらしい。

  こんなすごいものもらっちゃって良かったのかな?


  パンの次はコップを取り出す。

  そして魔法で飲水を作り出す。


 「水よ、クリエイトウォーター!」


  空気中から水分を集め、液化させる魔法だ。

  僕は白魔法以外ダメダメだから、コップいっぱい貯めるだけで、五分ほどかかってしまった。


  おなかがすいたから、ひとまず昼食だ!




  ◇



  エネルギー補給は出来たから、次は食物の確保をしよう!

  師匠が、くれたパンだって無限にあるわけじゃないしね。

  

  その時視界の端に何かが飛び出すのが見えた。


  僕は反射的に魔法を唱える。


 「壊せ、ヒール!」


  僕の魔法は茂みから飛び出した、二本角を持ったウサギに命中。

  その体は跡形もなく弾け飛んだ。

  

  あとには血溜まりが出来ているばかり……。



 「あっ、強すぎた……」


  とっさだったとはいえ、初級魔法で倒せちゃうなんてこの魔物は弱いみたいだ。

  確かホーンラビットっていう魔物だっけ。

  師匠の持っていた図鑑で見たことがある。

  肉の味は淡白でおいしいらしいから、ぜひとも確保しておきたい。

  魔法の威力を調節すれば仕留められるかな?


  

  ◇


  

 「いた! 壊せ、ヒール!」

  

  森を歩き回り、見つけたホーンラビットに威力を絞って魔法を放つ。

  魔法は命中し、ホーンラビットの体がはじけ飛んだ。


 「うわぁ……。また強すぎた……」


  かなり威力は絞ったはずなのにまた失敗してしまった……。

  どうしたらいいんだろう?


  その後も何度もホーンラビットを見つけるものの、どれも跡かたなく倒してしまう。

   

 「魔法の威力は最低限まで絞っているのに、一撃ではじけ飛んでしまう……。

  そう、はじけ飛ぶ……、ん? はじけ飛ぶ……?」

  

  その時僕の脳裏に妙案が浮かぶ。

   

 「欲しいのは胴体だけだから、頭だけを攻撃すればいいんじゃないかな!?」


  早速試してみる。

   

  見つけたホーンラビットに魔法をかけるのはおなじだが、今回は慎重に威力と照準を絞り、

 頭だけを狙う。


 「壊せ、ヒール!」


  魔法はホーンラビットに命中しその頭部だけを吹き飛ばした。

 

 「やった!」

  

  これで食料は確保できる!

  とらえたホーンラビットは血抜き処理と、内臓の処理をしてマジックボックスにしまう。

  これがまたすごくって、マジックボックスに入れたもの同士は基本的に不干渉の状態になる。

  つまり、ホーンラビットの死体を入れてもその血などが他の荷物につかないのだ。

  ほんと便利だよね!


  その後も僕はホーンラビットをとらえ続けた。



  ◇



 「これで10匹目だ!」


  とりあえず当分困らない分だけは確保できた。

  汚れた手を魔法で作り出した水できれいにして終了だ。

 

  一通りの作業を終え、ふと目を上げると陽の光はすでに西からさしている。


 「いつの間にかこんな時間になっちゃった。 野宿する場所をみつけよう!」


  僕はマジックボックスを背負い直すと、いい場所を見つけるために歩く。


  しばらく歩くと、常闇の森だというのに、前方の木々の隙間から明瞭な明かりが見える。

  

 「あれ? まだ出口たどり着かないはずなのに、なんでだろう?」

  

  不思議に思い、僕はその光を目指して走り出した。

 

   

  ◇


  

  次第に強くなる光……。

  それとともに僕の走りも早くなる。


  どれくらい走ったのだろうか?

その時、突如視界いっぱいの光が目に入る。

  あまりの眩しさに目をきつく閉じる。


やっと明るさに目が慣れ、目を開けたとき僕は思わず歓声を上げてしまった。


 「うわぁ! すごいや!」


  そこには美しい空き地があった。

  色とりどりの野花が咲き乱れ、夕陽にてらされて一層美しさを増している。

  中央には巨大な木が見守っているかように鎮座している。


 「よし! 今日はここで野宿しよう!」

 

  素晴らしい場所を見つけられ大満足な僕であった。

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