第2話 〜説明回〜
この話からしばらく優希視点になります
「えっとつまり、こういう事ですよね?」
ガブリエルさんが言ったことはつまり。
・これからNWOの世界に行ってもらうという事。
・NWOの世界に行くのにあたってXもついて行く事
・僕の体が女の子になるという事
・念の為知っている人の前以外では顔を隠す事
・運営が僕をBANしたのでなんとかアイテムは消えない様にしたらしいけどレベルやステータスは初期値に戻るという事
・僕は今後一切女の子にはモテないという事(ここ重要)
まぁまず最初、これは分かる。自分はNWOプレイヤーだし、世界が掛かっている訳だから逃げる訳にはいかないし。
けど次、これは一体何故だろうか?
まさかさっきの冗談を本気でやろうとしているのだろうか。
その心を読んだのか、ガブリエルさんはこう言った。
「いえ、さっきの冗談を本気でやろうとしているのではなく、X様はその、なんというか親バカ?というかとても心配性なのです」
なるほどわからん。つまり?心配のあまり僕を見守ろうということなのだろうか。
「はい、そういう解釈でいいと思います」
また読まれたちゃったか...にしても正直そんなお節介はいらないのだけれど、どうせ嫌って言ってもついてくるんだろうなぁ。
まぁもうこの事はいいや。次にいこう。
「えっと...?女の子になるってどういう事なんでしょうか」
「はい!それはですね、X様が女の子の体の方が絶対に生きやすいだろうとの事で、そういうことに決まりました!」
何でそんなに元気に答えるんだろうか...僕としては全く嬉しくないんだけどなぁ。
「逆に何故そんなに嫌なんでしょうか?性別が転換されるって滅多にない事でしょうし、貴方の様な方なら寧ろ女の子の方が生きやすいのでは?」
「いやいやいや、おかしいでしょそれ。 確かに生きやすいかもしれないけど、それだと色々困ると思うよ...」
おっと、つい素の口調で話してしまった。
でも女の子のになるって肩とか凝るだろうし、付いてるモノが付いてないし、男友達として遊んでいる人とかいるしetc...
「その辺は心配無いですよ。みんな貴方の事を女の子と見ていますし、身体は違和感の無いよう調整もしますし。NWOのアバターも女の子でしたよね?」
まぁ、そうなんだけどさ。でもやっぱり女の子になるって言われてもはいそうですかとは言えないんだけどなぁ。
「大丈夫ですよ。このゲームをクリアしたら自分で自由に性別を変化出来るようにするって言ってましたし」
最初からそういう事にしてもらいたいんだけどなぁ。
まぁいいや...次行こう次。
顔を隠せ。ねぇ
まぁこれは分かるなぁ。なんかあったら怖いしね。次。
は?BAN??これって一体...
「あのーこれって本当にBANされたんでしょうか」
「ええ...残念な事に本当です。ご愁傷様です」
はぁ...垢BANかぁ〜。まぁ理由としては何となく分かるんだけど、納得いかないなぁ。でも、それより、
「アイテムは消えない様にしたってどういう事?」
「あ、それはですね、垢BANは無理でもアイテムは消えない様にとそこで寝息を立ててるX様が防ぎました」
寝息立ててる?あ、本当だ。なんかたんこぶも治ってるし...
にしても、防いだ?もうなんか深く聞くのはやめよう。余計頭が混乱するだけだ。さっさと次にいこう。
コレだ。女の子にモテないだって?これは全ての中で一番意味が分からない。僕だって男だ。女の子は大好きだし大好物だ。なのに、なのにだ。モテないだって?
「ふざけるな!!」
信じられない。ちょっと女の子に見えるっていうか女の子になるからってこれから一切モテないとか絶対嫌だ。
レズ?そんなん知らないよ。僕は女の子が好きだ!!
「ま、まぁまぁ、落ち着いてくださいって本当に落ち着いてください!」
ハッ!しまった!つい取り乱してしまった。でも本当に女の子にモテないのは嫌だなぁ。どうにかならないかな。あーモテたいなぁ。もし女の子と付き合えたらどうしようかなぁ。あんな所に行ったりこんな事したり。えへへ〜あぁ〜いいなぁ。
「なんか考え事してたのが段々と妄想になってますよ!?」
「ハッ!あ、すいません。つい。でもこれって本当にどうにかならないんですか?」
「こればっかりはどうも...あ!で、でも女の子と親しくはなれますよ!」
親しく、かぁ。良いかもしれないけどやっぱり恋仲になりたいなぁ。あぁいい人いないかなぁ。
「と!り!あ!え!ず!頑張ったらモテるかもしれないので貴方なりに精一杯頑張ってください!」
「アッハイ」
話が終わったのを察したのか、一体何処からそんなものを出したのかわからないやっていたテレビゲームを一旦やめて、Xがこちらに来た。
っていうかさっきまで寝てたよね!?
「おはようございます」
ガブリエルさんがそう言うと
「おう、おはよう。話はもう終わったのか?」
とXが返す。
なんかこの二人夫婦みたいだなぁと思っていたらガブリエルさんが物凄く顔を紅潮させて
「そ、そんな!X様と夫婦だなんてなんとも恐れ多い...」
と言った。
一体Xってどれだけ位が高いのかと気になったが、それが分かるのはもっと先だろうとなんとなく察した。
それからさっきまで気になっていた事を聞く事にした。
「そういえば随分と長い事ここにいましたが、現実世界の方は大丈夫なのですか?」
それについてガブリエルさんが答えようとするがXが手でそれを制す。
「こっからは俺が答えよう。まぁその事だが問題ない。この空間は特殊でな、外の世界と隔離されている。まぁ所謂閉鎖空間ってヤツだ。だから現実世界の時間は止まったまんまだから気にするな」
なるほどねぇ。理論的には理解できるけど、それが出来るかという点ではやっぱり理解できない。
それに何故僕はこんなにも普通にこの二人と話せているんだろう?
まだXは前世らしいから分かるけど、ガブリエルさんとは何故話せているのかがわからない。天使パワーか何かなのだろうか?
そうこう考えていると、Xが口を開いた。
「そろそろ行くか。長々とここにいてもなんだしな」
それに答える様にガブリエルさんも
「そうですね、転移魔法は私が用意しますので二人ともそこに並んで下さい」
言われた通りに僕とXは並ぶ。
すると、下に魔法陣が出現し、そこから出る青白い光に包まれる。
さぁ、冒険が始まる