8
「かーいー、起きて!」
「ん・・・」
柔らかい胸元の毛をつつきながらひかえめに呼び掛けると、コウモリが小さく反応する。
やがてつぶらな黒い瞳が頭上の私をとらえる。
そして、小さくキィと鳴くとまるで笑うように目を閉じた。
ヤバイ。
私は咄嗟に離れて皆の次の行動に備えて手に持つ毛布を皆に向かって投げた。
次の瞬間、皆のいた場所が段々と盛り上がって一人の男の子が現れた。
黒い髪に白磁の肌。
大変整った顔には、人なつっこい笑みが浮かんでいる。
そして開かれた瞳には、朝っぱらからイタズラを企んでいるような色が見え隠れしている。
「おはよ、咲」
そう言う皆は、まだ完全に目が覚めてないからか、ふにゃりとした感じに笑った。
うん、美少年。
美少年なんだけど・・・。
「皆おはよう。でも、できれば服着てから言って欲しかったなー」
そう、今皆くん全裸なんですよ!
目のやり場に困るわ。
「だってあっちの方が楽なんだよ」
だってじゃありません!
慌てて毛布を掛けたからまだセーフだけど、朝っぱらから同年代男子の裸なんて見たくなかったなー・・・。
読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>