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さて、私は最後の一人を起こしに行きますか。
「おはよう、皆!!起きて━━」
勢いよく開いた扉の中は、真っ暗だった。
電気もついてないし、窓は厚いカーテンで覆われて光も入ってこないんだから、当然ちゃ当然だよね。
「・・・」
私は黙って電気を点ける。
布団の上には毛布と、皆が脱いだであろう服。
「・・・ちょっと、か━━」
「あら咲ちゃん、おはよう」
「!?お、おはよう、お義母さん」
びっくりした・・・。
いつの間にか、私の後ろには美名子さんがいた
。
「どうしたの?もうちょっとでご飯なんでしょ?」
「うん、だけどちょっと先に洗濯物干しておこうと思ってね」
ほら、と言って美名子さんは手に持っている洗濯籠を見せる。
「そうなんだ」
「あら、まだ皆くん起きてないの?」
「ううん、今来てみたらいなかったから、トイレとか行ってるんじゃないかな?」
「そう。咲ちゃんも早くおいでね」
「うん」
頷くと美名子さんは去って行った。
それを見送ると、私は静かに部屋のドアを閉めた。
読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>