1/35
1
朝。
私、百瀬咲はいつも通り家族の中で一番早く目が覚めた。
時刻は午前4時半。
ようやく日が昇ってきたばかりの時間なので、まだ少し薄暗い。
家は代々続く神社で、お父さんの代で14代目。
神様に軽く挨拶して、境内の掃除にかかる。
家は田舎の神社だけど、神社は立派なもので、境内も広い。
さっさと掃除をしてしまおう。
**************************************
「――く、咲!」
「あ、お父さんおはよ」
「ああ、おはよう」
振り返ると父がいた。
掃除に夢中で完全に時間が経つのを忘れていた。
もう太陽が大分昇っている。
「美名子さんがもうすぐご飯出来るって言ってたから、みんなを起こしてくれないか?ここは私がやっておくから」
「分かった」
私はお父さんに箒を渡すと、小走りに境内を後にした。
読んでくださり、ありがとうございました<(_ _*)>