生活保護の何が悪いのだろうか?
シェアハウス同士の集まりから帰ってきて、僕はまた1人で考えてみた。
「生活保護の何が悪いのだろうか?」と。
“ほんとうに困っている人に救いの手を差し伸べる”
これ自体は悪くない考え方に思える。むしろ、理想的な社会システムなのではないだろうか?
誰しも、ケガをしたり病気になってしまうこともある。ある日突然、仕事を失ってしまうかもしれない。本人だけでなく、その家族も困ることになるだろう。特に子供は。
子供は、自分1人で生きていくことはできないだろう。子供に責任能力はない。ほとんど運みたいなものだ。大金持ちの家に生まれるのと、貧しい家に生まれるのと、その違いは完全に“運”だともいえる。ある日突然、親が失業してしまったとして、子供はどうしようもない。
そりゃあ、失業保険だとか労災だとかでどうにかなればいいだろう。でも、そのような制度が使えない人もいるだろう。
そんな時に、生活保護という制度は非常にありがたいものとなるだろう。
「1つには、現金で配るのがよくなのかもしれないな…」と、僕は1人つぶやく。
何もかもをお金で解決してしまう。そこがよくないのかも。
人というのは、弱い生き物。目の前で現金を渡されれば、自然とそれを無駄に使ってしまいがち。ギャンブルでスったり、ゲームの課金に使ったり。
それが、お金以外の方法で渡されたらどうだろう?たとえば、アメリカには“フードスタンプ”という制度があるらしい。食料品だけを購入できる商品券みたいなモノだ。あるいは、家賃を直接大家さんに振り込んでもらうとか、住む場所そのものを提供してもらうとか。そういった援助の仕方もあるのではないだろうか?
実際に、日本でもプリペードカードに入金するという試みが始まっているらしい。
「もう1つには、期限が決まっていないことだろうな…」
そう。生活保護というのは、もらえる期限が決まっていない。これは非常に大きな問題だ。
1度申請が通ってしまうと、いつまでもダラダラともらい続けることができてしまう。こうなると、人は「よしっ!働こう!」という気がなかなか起きなくなってしまうのではないだろうか?
そりゃあ、なんらかの事情で働く気が起きない時期もあるだろう。たとえば、あまりにも過酷な労働環境で働かされ続けてしまったために、心を壊してしまったとか。そうなると、しばらくは何もしたくなくなるのもわかる。
でも、それだっていつかは終わりにしなければならない。休んでいる時間が長ければ長いほど、余計に働き始めるのにエネルギーが必要になってしまう。
それは、ある種の“甘え”でもあるのだ。
このベーシックインカム大実験だって、同じ。
期間が“5年”と決まっているからこそ、働こうという気にもなる。その5年が過ぎてしまえば、必然的に路頭に迷うことになってしまう。そうならないためにも、今の内からシッカリと働いておいて、お金も貯めておく。働くクセをつけておく。そういう気にもなってくる。
でも、もしも、この状態が一生続くとしたならば?
そうしたら、2度と働かないかもしれない。少なくとも、僕はそうなるだろう。同じように考える人は多いはず。何事にも“期限”が必要なのだ。
「他にも、いろいろと問題があるよな…」
たとえば、生活保護受給者は、医療費が無料になると聞く。ある意味では、それは理想的な社会システムだともいえるのだけど。同時に、「なんだか不公平だよな…」とも感じる。
それはそうだ。一生懸命がんばって働いて、税金も健康保険も納めて、それで医療費が3割負担とかそんなものだ。
それを全く働かずに、税金も納めずに、医療費は無料。それも、無制限に使えるのだ。文句をいいたくなる人たちの気持ちもわかる。
ただ、働くこともできないのに、病院にかかるお金は必要となると、余計に生活は苦しくなり、社会復帰は遠のく。これもおかしな話だ。医療費くらいはただにしてもらって、早めに心や体を治してもらった方が、社会全体にとっても利益がある。そういう考え方も理解はできる。
これは、なかなか難しい問題だ…
さらに大きな問題は、「働かない方が得だ」というものだ。
全く働かなければ、いつまでもお金をもらえるが、ちょっとでも働いてしまうと途端に保護を打ち切られてしまう。これもおかしな話だ。そりゃあ、余計に働く気をなくしてしまうのもうなづける。
働きながらも、いくらか資金を援助してもらえる期間があってもいいのではないだろうか?
「なんにしても、期限を設けるというのはよさそうだな…」
他の問題はそこまででもないが、1度生活保護をもらい始めたら、いつまでももらい続けられるというのだけはどうにかしなければならないだろう。短期間ならば、医療費無料も現金支給も、そこまで目くじらを立てられる心配はないだろう。
でも、残りの人生ずっととなると…
僕は、これらの考えを、毎月政府に送っている報告書に盛り込んだ。
直接ベーシックインカムとは関係ない話題ではあったが、“この社会をよくしよう!”という考えには違いがなかった。
もしかしたら、どこかの偉い人の目に止まり、改善してくれるかもしれないじゃないか。




