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大地のためのダンジョン運営  作者: あがつま ゆい
ダンジョンマスターと魔王
19/70

第19話 レイラ、イリーナ姉妹

 王国へ向かう行商を護衛するという形で、2人の若い女が共に歩いていた。

 1人はいかにも勝ち気を思わせる吊り目をした格闘家、レイラ。もう1人は常に困り顔をしたレイラの妹である内気な僧侶、イリーナ。

 2人は姉妹そろってダンジョンマスターを倒す旅を続けていた。




「ダンジョンマスター、ソル=デイブレイクか」

 レイラは手配書を見ていた……この国にもダンジョンマスターがいる。両親の(かたき)だ、倒さなくては。


「とりあえず王都に着いたら1泊休もうね。イリーナ、アンタ結構無理してると思うし」

「分かるんですか? 姉さん……」

「当たり前でしょ。私を誰だと思ってるの? アンタが産まれてから14年間ずーっとアンタの姉をやってたのよ? それ位分かるって」

「ありがとうございます、姉さん」


 父親も母親も冒険者だった姉妹にとって、彼らを殺した魔王およびダンジョンマスターは自動的に(かたき)となる。

 何としても倒さなくてはいけない相手だ。最近になってようやくダンジョンマスターを倒せるほど強くなれた。今回も意気込みは十分だ。




 王都に着いた後は宿を確保し1泊した後、翌日の夜に酒場で仲間を募るために姉妹揃って顔を出す。

 ガヤガヤとした賑わいを見せる店で、冒険者相手に儲かってそうな雰囲気があった。

 2人は冒険者を探すと、4人組のパーティが声をかけてきた。剣士や戦士が3人に、魔術師が1人という構成だ。

 彼らはある程度冒険者家業に慣れているようだったが、知名度はあまりない者たちだった。




「アンタ、まさか『炎拳のレイラ』か? ダンジョンマスターを1人倒したことがあるって聞いたけど」

「ええ、それで合ってるわよ」

「じゃあ明日の正午に一緒にダンジョン潜ろうか?」

「いいわよ。イリーナも連れてくけど構わないよね?」

「ああ、構わない。むしろ歓迎するよ。この酒場集合が良いか?」

「じゃあそれで」


 すんなりと交渉が成立した。




 ダンジョンに挑む冒険者は、他のパーティと協力して潜る事が多い。

 一度に大勢で潜った方が生存確率が上がるし、人数が多くなると1人当たり分け前が減るのでは?

 と思われがちだが「ダンジョンの奥まで進めてパイが大きくなる」つまりは収入自体が大きくなるので結果的に得をするのだ。


 頭数の多さと命令系統の両立をするために、大体は2~3パーティが1つになって潜る事が多い。

 1パーティだけで潜るというのは悪いうわさが広がって協力する人がいないか、儲けを独占したいカネにがめつい奴らのどちらかである。




 翌日の正午、姉妹は4人組の冒険者と合流し、ソルのダンジョンの中に入っていった。

 日光が入らない地下なのか、外のように暑い空気は無くヒンヤリとしてジメっとした空気が一行を出迎えた。

 侵入して1分も経たないうちに、魔術師が壁に手を当てた。


「? 何してるの?」

「『ハッキング』さ。元はダンジョンマスターが使っていた術なんだが、俺たち冒険者の間でも伝わっているのさ。

 さすがに全員当たり前に使える、とまでは行かないけどな。待ってろ、地図を引き出す」

「ふーん。便利なものだね」


 レイラはダンジョンマスターの能力を使える冒険者は初めて見る。そんな術もあるのか、と感心していた。




「よーし、いい子だ。もうちょいで……? あ、え? 何だ? !! ちょっと、待って! うわっ!」


 急に焦りだした魔術師、その直後!


バチン!


 という音と共に手から火花が出ると同時に壁に当てた手が弾かれる。改めて壁に手を触れるが……。


「駄目だ、逆探知された。もうハッキングは出来ないみたいだ」

「えー? 地図を引き出せるって言ったよなぁ!?」

「悪い。相手は結構慣れてるみたいだ」

「しゃーねーな。行こうぜ」


 一行は冒険者の間で流通している、手作業で書いた合ってるかどうか今一つ信ぴょう性の薄い地図を片手にダンジョンを進んでいくことになった。

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