表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

獏と黒豚

作者: 源雪風

紅葉と動物を見に、家族総出で動物園に行った。

色々な動物の中でも、獏が一番好きだ。

前回動物園に来た時は、ニタニタ笑顔で眠っていた。

しかし、今回は起きていて、同じところを何度も往復していた。

歩き方はのたのたしていて沖縄で見たししまいの動きにそっくりだ。

中に人間が入っているんじゃないかと疑いたくなる。

灰色で大きくて、目は虚ろだ。

檻の前にある看板を読むと、獏は泳ぎがうまくて、臆病だと書いてある。

しばらくして獏の見物人が増えてきた。

獏は驚いたのか、興奮気味に走り出した。

目も元気になった。

可愛い奴め。


獏が良かったから、他の動物を見てもつまらなかった。

その時、一匹のメスの黒豚が目に付いた。

看板によると、この豚は、いのぶたらしい。

しかも「ぶーちゃん。」と名前を呼ぶと返事するらしい。

早速名前を呼んでみる

だが、全く返事をしない。

普通だったら、「このインチキめ。」と思うだろう。

でも、逆にぶーちゃんを尊敬したくなった。

人間に媚びないたくましい姿勢が美しい。


しかし、私の弟が名前を呼んだら、一回だけ小さな声で短く「ぶ。」と鳴いた。

畜生!メスブタめ、男に媚びやがって。


しょげながらもう一度獏を見に行ったら、獏が「みゅうっ。」と鳴いてくれたので嬉しかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ