ラスト2行は嘘のエッセイ
氷点下だなと思う。
バスが来るまで後17分か。
このバス停は寒すぎる。
腰も足も痛いがベンチに座っていたら余計寒い。立っていよう。
「ちょっと見てよ」
若い!
中学生ぐらいの少年三人がベンチに座ってスマホゲームを始めた。
薄いパーカー1枚に半ズボンか。
何かスポーツをしてきた帰りか?
私はマフラーとダウン。下にモモヒキを履いているが寒い!
「このモンスターが弱体化したんだよ」
「うんうん」
見てるだけで寒い。
ベラベラベラベラよく喋る。
しかし若いとはいえ、やはり氷点下には敵わない。
身体を揺らして足踏みをしている。
少年達よ。バスが来るまであと10分以上。風邪をひくぞ。
……
パーカーを被った3人の小僧たちは見事に耐えきった。
バスがやってくる。
少年達よ。この寒さを耐えきった私達は同士だ。
君たちがゲームする後ろでおじさんは勝手にそう思っていたぞ。
あれ?俺キモくね?
「じゃあね」
「またねー」
おや?一人を残して走り去ってしまった。
バスに乗るのは一人だけ?あー。バスの中あったかいにぇ。
席に座った少年の顔は真っ赤だ。
そりゃそうだろ。
私は不覚にもポロリと涙をこぼした。
あの2人はこの寒さなのにお別れギリギリまでこの少年と遊びたかったのだ。
寒さに耐えてでもお喋りがしたかったのだ。
青春過ぎるな。
いつから私は青春を見ると泣けてくるようになったのやら。
良いものを見させてもらった。
一番後ろの席では高校生ぐらいのカップルが頭と頭をゴッツンコさせて幸せそうに寝ている。
繋いだ手と手。離すなよ?
私はダウンのポケットからトカレフを取り出してカップルの頭を撃ち抜いた。




