第4話 新術
ある意味ここまでがプロローグみたいな感じなんですかね?まぁここから物語動かしていきます。
「新術……?このタイミングで?」
ジャンにとって新術が発動するのは1年ぶり以上の出来事だった。
その時、ジャンの目には突撃してくるボスブギーが目に入った。あれこれ新術に対して考えてる暇はなかった。
「どんな新術が出るか分からんが、アイツを倒す力だと信じてるぞ!」
ジャンは手を前にかざし術を叫んだ。
『リュウライホウ』
ジャンの手から雷の龍が勢いよく放出される。そして突進してきたボスブギーを飲み込んだ。
ボスブギーは黒焦げになったが倒れてはいなかった。が、最早動く事は出来ないほどのダメージを受けているのは明らかだった。
「はぁ……はぁ……あんなデカい力が直撃しても倒れないとはな。だがこれで終わりだ。」
そう言うとジャンはボスブギーの頭に飛び乗り術を唱える。
『ライトウ』
雷の剣を出しボスブギーの頭に勢いよく突き刺した。ようやくボスブギーが倒れた。
ジャンはボスブギーから降りると膝を付いた。
「さっきの新術、やっばいな……。万全の状態でも2~3発が限界じゃね?」
疲労感は今までに無いほどあった。今までは十数発使えばそこそこの疲労感が来る程度だったのが新術1発でそれを超えてしまっている。
「使い処を間違えると逆にピンチになったりしそうだな」
そんな事を考えていると村人達が集まってきた。
皆それぞれ感謝を述べてくる。笑顔は勿論、泣いている者もいる。
ジャンはこの時決心した。
「ここからもう1回勇者として這い上がろう。そしてどうせなら世界中の人間が皆知ってるような勇者…いや、英雄を目指すか。どうせなら。」
別に無欲って訳でもない。勿論ジャンだって名声や金は欲しい。女は……うん、まぁ……。
だがそれらは結局人の為にやれば自然と増えていく物だ。だからジャンは目指す。英雄の勇者を。
人生の目的を見つけたジャンは心の奥から何かが沸々と湧き上がっていた。それが何かはジャン本人にも分からなかった。強いて言えば「楽しみ」といった感情だろうか。
その後ジャンは村に報酬を返した。村の復興に使ってくれと言い。そしてジャンは足早に村を後にする。
「町に戻る前にちょっと(自分の)村に戻るか。」
ジャンはそう言うと『ライソク』の術を使い走り出した。
……数分後まだ体力が完全に回復してなかったジャンは、木陰で昼寝をせざるを得ない状態になったのは秘密だ。
術の発動に関して
術には神力を使います。神力は有限です。ですが本人ですらどのくらい使えるかは感覚のみだけで判断します。使い過ぎると体が重くなり怠くもなります。体力とは絶妙に違うのですが、休むと回復します。ちなみに勇者に選ばれる理由の1つに神力の多さが関係してるのでは?と言われています。